さらばNSX!! レジェンド、オデッセイ、S660と続々生産終了… ホンダはお金の使い方がヘタすぎる!??

■大きな改良を受けても販売台数は伸びず

 一方、乗ると”そこそこ”面白さはあった。ハンドル切ってアクセル踏めば、ハンドル切った方向に曲がっていくトルクベクタリング、荒削りながらセットアップしていったら面白くなるんじゃないかと感じたし、アクセル踏んだ直後の早いレスポンスなどモーター使ったクルマの特長を持つ。スーパーカーの赤チャンとしちゃ悪くない。

走行性能については、ホンダ独自の3モーターハイブリッドシステム「SPORT HYBRID SH-AWD(Super Handling-All Wheel Drive)」を搭載し、他のスポーツカーとは一線を画した実力を持っていた
走行性能については、ホンダ独自の3モーターハイブリッドシステム「SPORT HYBRID SH-AWD(Super Handling-All Wheel Drive)」を搭載し、他のスポーツカーとは一線を画した実力を持っていた

 NSXはデビューした際、こういった点を様々な人からたっくさん指摘された。もちろん「批判」じゃなく「より良いクルマに育って欲しい」という気持ちがこもった指摘です。

 しかしホンダはそういった応援にまったく耳を貸さず。

 途中、LPLがテッドさんから水上さん(水上聡氏)という日本人になったのだけれど、大半は現在も”課題”のまま残っている。

 水上さんに聞くと「出来ることはすべてやりました」という。なるほどサーキットを走るとF1の如くボディの一部が路面を擦ってしまうようなことはなくなり、乗り心地だって少しだけ上質になった。でも安っぽいエクステリアやインテリアなどそのまんま。

 どうやらやりたかったけれど予算不足だったようだ。そらそうだ。売れてませんから。

 私ですら「魅力なし!」と感じるほどだから、普通に3250万円級のクルマを買っている人からすればダメな箇所が山ほど見えるんだろう。インテリアなど比べる気にもならない。結果として売れず。大きな改良を受けた翌年の2019年は年間26台。アメリカでも継続生産車としたなかで「最も売れていないクルマ」になってしまった。

噂のトランクルーム。たしかにスーパーカーオーナーが(おそらく超高額の)トランクを積むスペースとしては使わないな…という感じ
噂のトランクルーム。たしかにスーパーカーオーナーが(おそらく超高額の)トランクを積むスペースとしては使わないな…という感じ

 テッドさんが作ったNSX、大失敗作だったため売れず、売れなかったから開発予算を削られ、水上さんはやりたいことが山ほどあったのに足回りの小変更した出来なかったワケ。毎年の如く進化させているライバル達にかなうハズがない。ちなみに初代NSXの総販売台数1万9006台に対し、現行は2500台ほど。完全なる赤字です。

■お金の使い方が…ヘタすぎる……

 今後大幅改良を行う気もない、だったら止めちゃえというのが今の経営陣の判断だ。私ならハイブリッド系をすべて降ろし、コルベット級の価格にして生産継続をするなど考える。500馬力で1000万円なら私だって欲しくなっちゃうかもしれません。とにかくマーケティングから価格設定からクルマ作りから、すべてダメだった。

スタイルは美しく、国産スーパースポーツとしてのオーラはあった。ただ街中で見かけることは少なく、ホンダのイメージを引っ張る活躍もできなかった
スタイルは美しく、国産スーパースポーツとしてのオーラはあった。ただ街中で見かけることは少なく、ホンダのイメージを引っ張る活躍もできなかった

 今後どうする? しばらくこの手のスーパーカーなど作れまい。初代NSXも赤字だったけれどブランドイメージを作れた。現行NSXはそういった役割すら果たせず。

 スーパーGTについていえば、すでに2020年から後輪駆動という変わり果てた姿になっているため、そのまんま継続すると思われる。GT3はホモロゲある限り走らせられます。

今回のNSX生産終了にあたり、スーパーGTに関しての発表は何もなかった。来年以降もNSXで参戦予定ということだとは思うが…
今回のNSX生産終了にあたり、スーパーGTに関しての発表は何もなかった。来年以降もNSXで参戦予定ということだとは思うが…

 NSXの生産終了に接し「ホンダはお金の使い方が徹底的にヘタですね!」と思う。ホンダeや日本市場におけるシビックやクラリティ、インサイト、CR-Vにも言えることながら、客観的に考えたら「絶対売れない」とわかっているプロジェクトを止められない。ホンダ社内にはセンスの良い人がたくさんいるのに不思議なことです。

【画像ギャラリー】さよならNSX…圧倒的に美しかった初代と苦労を続けた2代目NSXの画像たち(20枚)画像ギャラリー

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