マイチェンで力強いフェイスとなったばかりの国内オデッセイ
国内オデッセイについても振り返っておこう。国内オデッセイは、2.0リッターガソリン+2モーターハイブリッドのe:HEVと、2.4リッターガソリンエンジンを備えた7~8人乗りの3列シートミニバンで、FFもしくは4WD(2.4リッターのみ)となる。
WLTC燃費はe:HEVは20.2km/h(e:HEV ABSOLUTE 7人乗)、2.4Lガソリンは12.8km/h(ABSOLUTE FF 7人乗)だ。
2020年11月のマイナーチェンジで、フード前端のプレスラインを持ち上げ、フロントフェンダーも変更されたことで力強いフェイスとなったのは、記憶に新しいところだ。
ヘッドライト周りやブラック基調のグリルは、同社のインサイトやステップワゴンに似た雰囲気があり、某社の大人気大型ミニバンとは違い、すっきりとした清潔感のある印象だ。
価格は、e:HEVが419万8000~458万0000円、2.4Lガソリンは349万5000円~392万9400円だ。
ヒットする可能性は1ミリもない
北米オデッセイは評価の高いモデルではあるが、国内での販売を考えたとき、圧倒的に有利なのは、やはり国内オデッセイだ。
国内オデッセイは、日本で受け入れられそうなアイテムを残らずすべて織り込んだジャストサイズのミニバンだ。「V6エンジンを積んだ、3百万円台で買えるラージサイズミニバン」というと、魅力的に聞こえるかもしれないが、あの国内オデッセイで苦戦している日本のミニバン市場において、巨大で時代遅れの北米オデッセイが満足できる成果をおさめられるとは、筆者には思えない。
北米オデッセイの日本導入が本当の話であるならば、ホンダには何らかの戦略があるのだろう。何のひねりもなしに、日本の需要に適していると思えない北米オデッセイを国内導入することは考えにくく、導入されるのであれば、何らかの形で日本にアジャストされたモデルとなって、導入されると思われる。
例えば、3列目シートを取り払って、広がったラゲッジスペースに給水器や家電を追加したキャンピングカー・スタイルや、バイクや自転車を余裕で載せられるトランスポーター・スタイル、ルーフがポップアップしてクルマの屋根へと登れるようにした2階建てスタイル、など、何かの変化球的なアプローチがあれば、大ヒットモデルとはならなくとも、存在意義のあるモデルとなることはできる。
本当に日本導入されるのであれば、ホンダはどういったかたちで北米オデッセイを日本に登場させるのか。「ホンダスピリット」を感じられる北米オデッセイの日本登場が楽しみだ。
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