原付2種バイクをはじめとした2輪車の売り上げが好調だ。バブル期のブームが去った後の長い冬の時代を考えると胸が熱くなる。
だが、オジサンは思う。ライダーが増えて、またバイクの死亡事故が増えてしまったら、「3ない運動」の再来が起こるのでは? と。
つまり、すべてのライダー、特に未来ある若者は絶対に死なないようにバイクライフを楽しんで欲しいのだ。
そのためにまずはやはり安全運転。その次というか、そのためにも勧めたいのがオフロードでの練習。騙されたと思って是非試して欲しい。
文/池之平昌信、写真/池之平昌信、福本敏夫
【画像ギャラリー】2輪車の扱いとバランス感覚が自然と身に付く!! 往年のモトクロス王者が教える「モトクロスごっこ」とは!?
■手軽なオフロード体験で正しいバイクの乗り方が学べる
埼玉県川越市と上尾市の境界付近の河川敷に「オフロードヴィレッジ」というモトクロス場がある。全日本モトクロス選手権も開催されるほどの本格的コースなのだが、今回のハナシはそこじゃない!
そのわきにあるただの広場、小学校の校庭よりも狭いくらいのスペースだ。そこで1日練習するだけで、ライダーの運転技術の偏差値は10~20ほど上がる! と私は断言する。ちなみに初心者ほどその上昇値は高くなるのもいいところ。
そうは言っても「バイクとか装備品とか、準備がたいへんなんでしょ?」「こけたら大ケガだろうし、バイクの弁償もある?」「スパルタ式の激しい特訓やるんでしょ?」といった懸念を持つのが当然だろうが、心配無用。
そりゃバイクだから「危険はない」といったらうそになるが、一般道で自転車をかっとばすより怖くない。なにより小学生や女子でもニコニコ楽しんで参加していることがその証だ。
それにこけたとしても土の上。ヘルメット、モトクロスパンツ、プロテクター、ブーツ、バイクとすべてレンタル可能な専用品もあるので安心サポートだ。
■往年のモトクロスライダーが優しく楽しく教えてくれる
「汚れてもいい上着」だけを持参すれば参加可能なのがこの「モトクロスごっこ」というプログラム。
参加料は男性13,500円。女性や子供は10,500円だ。約40年の歴史を持ち、通算89,000人ほどが参加したというのだから驚く。
大型2輪ライダーや子供や若い娘だけでなく、バイクに乗る役柄が決まった俳優やお笑い芸人、横綱関取、バイクが趣味の女子アナまで多種多彩な参加者たち。つまり自転車に乗れれば、2輪の免許を持ってなくても参加OK! なレベルから始まるレッスンなのだ。
指導するのは福本敏夫さん(68歳)。往年の全日本モトクロス王者だ。その2輪界のレジェンドが後輪ブレーキをかけてロックさせるようなところから、優しく、ひょいひょいと指導してくれる。
白線を引いただけの広場で反復練習することで誰でもめきめきと上達する。「あっ」と思うような瞬間でも、レンタルの小型軽量100ccモトクロッサーなら足をつきやすく転倒しにくい。
よって何度でも自分のレベルに合わせて挑戦できる、という好循環だ。まあ時速10km程度でこけたとしても、頑丈な競技車両はまずどこも壊れないし、キズなども気にしないでOK。
その点も磨き上げた大切な自分のバイクじゃないぶん、気軽に楽しめるのだ。
しばらくすると、休憩を兼ねて福本さんが曲芸走行を披露してくれる。背面乗り走行、そのままウィリー等々、それは圧巻なのだが、力を入れずにエンジンも吹かさずにサラリとやってしまうので、参加者は笑顔になり、またまたやる気が出てくるという図式だ。
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