名車であり迷車でもあったホンダの挑戦車たち 5選


 S660、クラリティ、レジェンド、オデッセイといったホンダを象徴するモデルの生産終了が明らかとなった2021年。そして、8月3日にはNSX生産終了の一報も……。これら一連のニュースはホンダファンだけでなく、多くのクルマ好きに衝撃を与えたことは間違いない。しかし! ホンダは夢を原動力に、世界中のユーザーと喜びや感動を分かち合うチャレンジを続けてきた。それは今後も変わらないはず。これからのホンダのチャレンジに大きな期待を込めて--ここではホンダらしさを満載した5台の隠れ名車を紹介していこう。

文/FK、写真/本田技研工業

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時代を先取りしすぎた悲運の短命モデル、2代目「Z」

ホンダは偉大なチャレンジャー! みんなの夢を乗せた! ホンダの隠れ名車図鑑
中古車市場でも30万円前後で程度の良いものが手に入るZ。アウトドア好きのセカンドカーとしてもお薦め

 ホンダのZといえば、水中メガネと呼ばれたリアウィンドウとスポーティなクーペフォルムで人気を博した1970年9月登場のZ360を思い浮かべる人が多いだろう。しかし、ここで紹介するのは1998年10月にデビューした2代目のZ。

 その一番の見どころは50:50の重量配分を生み出す、後席床下にエンジンを配したアンダーミドシップレイアウト。上位グレードのZターボは64PSのハイパー12バルブインタークーラーターボエンジンと走破性の高いリアルタイム4WDとの組み合わせによって高い走行性能を発揮した。

 他にも、エンジンの床下配置によって確保された小型車並みの居住空間やボディ変形量の最小限化と乗員の傷害値低減を両立した世界最高水準の衝突安全性などが新しい価値を創造した2代目Zだったが、2002年8月に販売終了。ホンダらしい走りを重視したパッケージやSUV然としたスタイリングは、アウトドアブームに沸く今の時代ならヒットしていたかも?

ホンダは偉大なチャレンジャー! みんなの夢を乗せた! ホンダの隠れ名車図鑑
軽自動車としては掟破りともいえるほどの居住空間を実現。サーフボードを積載できるKカーは画期的だった

時代の波には逆えず……。コンパクトセダンの革新を掲げた「グレイス」

ホンダは偉大なチャレンジャー! みんなの夢を乗せた! ホンダの隠れ名車図鑑
「フツーのコンパクトセダンは作らん!」と言う意気込みは感じられたものの、販売台数は低迷……

 5ナンバーサイズの4ドアセダンとして2014年12月に登場したグレイス。1.5リッターアトキンソンサイクルDOHC i-VTECエンジンに高出力モーターを内蔵した7速DCTにリチウムイオンバッテリー内蔵のIPUを組み合わせたSPORT HYBRID i-DCDは、ハイブリッドセダンNo.1の低燃費を実現。

 優れた乗り心地をもたらした入力分離式ダンパーマウントや、遮音・吸音材の適切な配置&騒音の侵入源となる隙間対策の徹底による静粛性の高さはクラスを超えた上質感を提供した。

 “コンパクトセダンの革新”のコンセプトに基づいた、注目に値する装備の数々はグレイスに対するホンダの熱量を感じさせるものだったが……。ひと昔前だったら、挙げ出したらきりがないほどのラインナップを誇った5ナンバーセダン。しかし、今や新車で買えるのはトヨタのカローラ アクシオだけという絶滅危惧の危機に瀕しているが、グレイスもまたそんな時代の波に呑まれて2020年7月をもって生産を終了した。

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