ホンダは2021年8月19日、ホンダ車から収集した走行データなどを活用する「Hondaドライブデータサービス」の新サービスとして「旅行時間表示サービス」の提供を開始した。
ホンダのテレマティクスサービスと言えば「インターナビ」が代表的だが、新サービスの仕組みや狙い、そして何よりもドライバーにどのようなメリットがあるのか、オンライン記者会見から見えてきた新ビジネスの可能性も含め検証してみた。
文/高山正寛、写真/Honda
【画像ギャラリー】ホンダの旅行時間表示サービスの実際の設置風景と概念図
■常にコネクテッドの世界をリードしてきた
純正カーナビの世界においてホンダは常に先進的かつ業界をリードしてきたのは有名な話。
1981年に世界初の市販カーナビとして「ホンダ・エレクトロ・ジャイロケータ」を発売後、1998年7月には通信機能を活用した「インターナビ」のサービスを開始。
その後は「インターナビ・プレミアムクラブ(2002年)」、通信費と通信機器が無料の「リンクアップフリー(2010年)、そして東日本大震災が起きた2011年3月11日の翌日10:30には「通行実績情報マップ」を提供するなど、CASEの“C”(コネクテッド)が語られる遙か前からユーザーに対して有益なサービスを提供してきた。
■インターナビとは何が違う?
現在ホンダが展開している「Honda CONNECT」や「インターナビ・プレミアムクラブ」はホンダ車が一種のセンサーとして通信を活用し「走行情報」「移動情報」「車両状態の一部」さらに位置情報やVSAやABSの動作状態などをサーバーに送ることで渋滞を回避したルートを専用カーナビに提供するなど、いわゆる「B to C」的な考えで行われてきた。
実際、ホンダ車のコネクテッド会員は370万台(2021年7月現在、トラック・タクシー・レンタカーなどの商用車は含まず)でデータ収集距離も1日5000万kmと膨大なもの。今後も年間数十万台ペースで車両が増え、データ密度や精度は向上していく。これ自体は現在も継続しており、今後も期待できるサービスと言える。
一方、「Hondaドライブデータサービス」は「B to B」的な側面を持ち、クライアントも官公庁や自治体、そして企業が多い。サービス自体のスタートも2017年12月からとまだ日が浅いが、コネクテッドカーから得たデータ自体の提供や分析サービスにより、それぞれにニーズにあった道路政策(都市計画や交通安全、防災減災)などへの支援を行う。
コメント
コメントの使い方