■軽トラックベースのカスタムカーがアウトドアで大人気
近年、カスタムカーの世界でも軽トラックベースのものが増加。さまざまな軽トラック向けのカスタムパーツも販売されるようになった。その魅力に、アウトドアを楽しむ人たちも注目するようになっているのだ。
最新の軽トラック事情を探るべく、軽商用車向けカスタムパーツ「HARDCARGO」の田中宏之介さん(有限会社エフクラス)に話を伺うと、近年、明らかな顧客の変化を感じているという。
「これまでは建築関係のお客様が、仕事用の軽トラックのためにパーツをご購入されるケースが多かったのですが、コロナ禍以降は、趣味で軽トラックを活用するお客様のニーズが増えています。
一般の方は、軽トラックをお仕事クルマではなく、気軽にアウトドアに活用できる新しいクルマとして捉えているようです。ですから、増車や別荘用のクルマとして、弊社のパーツを装着したコンプリートカーをご注文される人も多いですね。
やはりキャンプ道具や遊び道具を満載してアウトドアを楽しむ人が多いですが、最近は、荷台に125㏄の小さなバイクを積んで各地に出向き、ゆるく林道ツーリングを楽しむ人も増えてきてますよ(田中氏)」
軽トラックの荷台を活用したテントキットが好評の軽トラックカスタムパーツブランド「Bug-Truck」の山本剛史さん(カーファクトリー ターボー)にも話を伺ったが、軽トラックのカスタムニーズは衰えることを知らず、コロナ禍でも盛況だという。
現在、荷台で車中泊も楽しめるテントキットは、約3.5カ月待ちとなるという。
ちなみに、軽トラックの2大ブランドであるキャリイとハイゼットの人気について、「HARDCARGO」と「Bug-Truck」に両社に尋ねたところ、やはり人気でいえばハイゼットだという。
その理由としては、ハイゼットの乗用車感覚の運転感覚や乗り味、使い勝手のよさなどを挙げる。また「Bug-Truck」の山本さんは、「ハイゼットのほうがカスタムパーツも多い。だからキャリイは自分だけの一台にこだわるカスタム派が多いかな」とのことだった。
■軽トラ市場はホンダ撤退により「スズキVSダイハツ」となった
あくまで個人的な考察だが、やはり唯一の4速AT搭載となる「キャリィ60周年記念車」は、個人ユーザーがメインターゲットではないかと思う。趣味で軽トラックを活用する人ならば、そのフィールドも、より広くさまざまなケースが想定され、ロングドライブには運転負荷や燃費の低減効果の高い4速ATのメリットは大きい。
さらに軽トラック市場は、ホンダの撤退もあり、完全にスズキVSダイハツの構図となっている。現時点ではハイゼット優勢の風向きだ。そのため、スズキも従来の価値観とは異なる進化の必要性を感じているのではないだろうか。
奇しくもダイハツ ハイゼットも、2020年で発売より60周年を迎えたばかり。長年のライバル対決が、個人ユースという新たな市場でどのような戦いを見せていくのかに興味津々だ。
コメント
コメントの使い方