■アイドリングストップ機構とアイドリングストップは違う
ではアイドリングストップは意味がない行為なのかというと、そんなことは全くない。そもそもアイドリングストップ運動というドライバーへの啓蒙活動が最初にあったことを思い出してほしい。
無駄なアイドリングを減らして、排気ガス(CO2含め)の排出を減らし、大気汚染や気候変動への影響をできる限り少なくする、というのが目的だった。
アイドリングストップ機構をキャンセルしても、信号待ちが長い交差点などではアイドリングストップをするべきだ。むしろ選択して利用状況を絞り込むことで、アイドリングストップはより燃費向上策として有効になる。
今後アイドリングストップ機構は、停止するとやたらと作動するのではなく、ワンタッチでドライバーが選択できるようにするほうが良いのではないだろうか。
現状はキャンセルスイッチを押してキャンセルしてしまうと、その走行中はキャンセルスイッチを解除しないとアイドリングストップ機構が働かなくなる。
そうではなく、この信号待ちは長くなりそうだとドライバーが判断したら、スイッチを入れることでアイドリングストップが働き、ブレーキペダルの踏力を弱めればエンジンが始動するように方法を工夫するだけで、無駄なアイドリングストップが減って、交差点での一時停止もよりキチンと止まるドライバーが増えるかもしれない。
そんな操作は面倒だというなら、従来通りアイドリングストップ機能を利用するか、キャンセルして使わないようにするかの二択ということになるだろう。燃費のためというより、環境保全のために不要なアイドリングを削減するよう心がけるようにすればいいのだ。
とりあえず我々ドライバーが今できることは月に1度程度、バッテリーを追充電して、バッテリーのコンディションを整えることでバッテリーの寿命を伸ばすことだ。
もしくはアイドリングストップキャンセラーを装着することで、デフォルトはアイドリングストップしないという設定にすることも、バッテリーの負担を軽減できるだろう。
そうすればバッテリーの寿命は延びる。キャンセラーを装着した場合には、ディーラーで確認してもらう必要があるかもしれないが、アイドリングストップ専用バッテリーを使う必要もなくなる可能性が高い。
もし1分以上停止することが分かっているような停止であれば、自分でアイドリングストップすればいいし、キャンセラーをキャンセルしてもいい。
アイドリングストップ機構が付いていないAT車では、エンジンを再始動させるためにはNレンジかPレンジにシフトする必要があるため、発進操作にはひと呼吸置いてシフトするなど余裕が必要となるから、アイドリングストップ機構のDレンジのままブレーキ保持でエンジン再始動という機能は便利だから、全てのクルマに搭載したほうがよいと思う。
最近では最新車であっても、トヨタのヤリス/ヤリスクロス、カローラ、RAV4などのようにアイドリングストップ機構が装備されていないが、装備されなくなったからといって、アイドリングストップをしなくてもいい、ということにはつながらない。これからはクルマ任せにせず、ドライバーが適宜アイドリングストップを行なうようにすることが求められる時代になりそうだ。
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