■「契約するから最後の一声!」は事前に伝えておくこと
筆者も商談の最後によく言われたのが、「契約するからもう一声!」という言葉だ。商談自体に余力があれば、効果のある言葉だとは思うが、ほとんどの営業マンはギリギリいっぱいまで頑張っている。したがって、これが効果的なひと言かと言われると少々疑問が残る。
ただ、商談の最後ではなく、最後の商談の前に出しておけば、一定の効果は期待できるはずだ。
以前に値引きの話でも紹介したが、営業マンが単独で判断できる値引き額には限界がある。それを上回る値引き希望に対しては、その内容が上司に伝えられ、上司の判断を仰ぐのだ。
基準を超えた値引きには、「このお客さんは、○○な人で、今後、大きな利益をもたらしてくれます! だから、どうにかして買ってもらいたいんです」という熱い思いを、営業マンが上司に伝える時間を確保する必要がある。
つまり契約印を押す直前ではなく、最後の商談の約束をする際に、「最後の一声」をお願いしておくと良いだろう。
「今日決めるから」よりも「次は契約に来るから、その時までにこの金額にならないかな」という言い回しにしてみる。すると、営業マンとしても上司と交渉する時間が十分に取れるため、ユーザーの要求に対してゼロ回答ということは少なくなるのだ。
交渉におけるジョーカーは、少し早めに出しておく方ほういい。ギリギリまで持っていては、効果的に使いきれず、損することが多くなる。
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値引きは、購入者にとって重要視したいポイントであるが、営業マンと戦ってしまっては、好条件は出にくくなる。紹介した「やってはいけない」テクニックには近づかずに、まずは相手と心を通わせることを意識しながら商談を進めていこう。
商談は人と人とのつながりに終始する。小手先のテクニックよりも、本当の意味でのコミュニケーションが、最大の値引きを引き出す必勝法なのだ。
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