■スズキvsダイハツの熾烈なシェア争い!今後はハイブリッドの拡充が焦点か
その一方で「ダイハツVSスズキ」という軽自動車メーカー同士の販売合戦も気になる。2021年1~11月の販売累計は、スズキが47万842台、ダイハツは48万7839台になるからだ。まさに接戦となった。
両車の販売合戦を振り返ると、1973~2006年まではスズキが一貫して1位だったが、2007年以降はダイハツがトップを取る年が多い。それが今年は再びスズキが1位になる可能性が生じてきた。
2014年にもスズキの先代(初代)ハスラーが発売されて両社が接戦になり、12月には在庫車を一斉に中古車市場に放出して、届け出台数を粉飾した(2014年12月の届け出台数はスズキが前年の1.5倍でダイハツも1.4倍)。
その結果、僅差でスズキが1位に返り咲いたが、中古車市場の流通台数も増えて中古車価格が値崩れを起こし、リセールバリュー(中古車価格とユーザーの売却額)を下げてしまった。このような結果を招くとユーザーの不利益になるが、割安な特別仕様車の追加設定などは、商品の買い得度を強める。
また2021年1~11月におけるダイハツとスズキの新車販売台数をカテゴリー別に見ると、乗用車はダイハツが34万6780台、スズキは36万9815台と多い。ダイハツは軽商用車では上まわるが、軽乗用車は弱いのだ。
しかもスズキにワゴンRスマイルが加わった今、ダイハツとしては、軽乗用車の売れ行きを増やす強力なセールスポイントが欲しい。それが今後登場する軽自動車のハイブリッドだ。
11月1日、ロッキー&ライズに搭載されたe-スマートハイブリッドをベースに、軽自動車用にアレンジして、20万円前後の価格アップで主力車種に搭載する。
20万円という金額は、タントであれば標準ボディとカスタム(エアロ仕様)の価格差に近く、環境技術の価格としてもギリギリで許容範囲に収まる。今後のダイハツの軽自動車は、e-スマートハイブリッドを先進機能の中核に据えて売れ行きの増大を図る。
このようにスライドドアとワゴンRスマイルの人気が、環境技術という規模の大きなテクノロジーを加速させる側面もあるわけだ。
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