約7年ぶりの快挙! N-BOXの首位を陥落させたワゴンRスマイルの実力

■スズキvsダイハツの熾烈なシェア争い!今後はハイブリッドの拡充が焦点か

12月10日にフルモデルチェンジを果たしたアルト。前モデルではコスト優先でエネチャージだけだったが、新型は上級モデルにマイルドハイブリッドを搭載。WLTCモードで27.2㎞/Lを達成
12月10日にフルモデルチェンジを果たしたアルト。前モデルではコスト優先でエネチャージだけだったが、新型は上級モデルにマイルドハイブリッドを搭載。WLTCモードで27.2㎞/Lを達成

 その一方で「ダイハツVSスズキ」という軽自動車メーカー同士の販売合戦も気になる。2021年1~11月の販売累計は、スズキが47万842台、ダイハツは48万7839台になるからだ。まさに接戦となった。

 両車の販売合戦を振り返ると、1973~2006年まではスズキが一貫して1位だったが、2007年以降はダイハツがトップを取る年が多い。それが今年は再びスズキが1位になる可能性が生じてきた。

 2014年にもスズキの先代(初代)ハスラーが発売されて両社が接戦になり、12月には在庫車を一斉に中古車市場に放出して、届け出台数を粉飾した(2014年12月の届け出台数はスズキが前年の1.5倍でダイハツも1.4倍)。

 その結果、僅差でスズキが1位に返り咲いたが、中古車市場の流通台数も増えて中古車価格が値崩れを起こし、リセールバリュー(中古車価格とユーザーの売却額)を下げてしまった。このような結果を招くとユーザーの不利益になるが、割安な特別仕様車の追加設定などは、商品の買い得度を強める。

 また2021年1~11月におけるダイハツとスズキの新車販売台数をカテゴリー別に見ると、乗用車はダイハツが34万6780台、スズキは36万9815台と多い。ダイハツは軽商用車では上まわるが、軽乗用車は弱いのだ。

 しかもスズキにワゴンRスマイルが加わった今、ダイハツとしては、軽乗用車の売れ行きを増やす強力なセールスポイントが欲しい。それが今後登場する軽自動車のハイブリッドだ。

11月1日のマイナーチェンジでe-スマートハイブリッドを追加したロッキー&ライズ。軽にも採用可能な安価なハイブリッドとしてダイハツが出した結論がシリーズハイブリッドだった
11月1日のマイナーチェンジでe-スマートハイブリッドを追加したロッキー&ライズ。軽にも採用可能な安価なハイブリッドとしてダイハツが出した結論がシリーズハイブリッドだった

 11月1日、ロッキー&ライズに搭載されたe-スマートハイブリッドをベースに、軽自動車用にアレンジして、20万円前後の価格アップで主力車種に搭載する。

 20万円という金額は、タントであれば標準ボディとカスタム(エアロ仕様)の価格差に近く、環境技術の価格としてもギリギリで許容範囲に収まる。今後のダイハツの軽自動車は、e-スマートハイブリッドを先進機能の中核に据えて売れ行きの増大を図る。

 このようにスライドドアとワゴンRスマイルの人気が、環境技術という規模の大きなテクノロジーを加速させる側面もあるわけだ。

ダイハツは新型アトレー、ハイゼットの発表会でe-スマートハイブリッドの軽への展開を発表、軽EVについても補助金含め100万円台での投入すると明言
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