2021年9月10日に発売された、スズキワゴンRスマイル。ワゴンRをベースに、丸目の愛らしいヘッドライトを採用し、スライドドアを装着したモデルだ。
このワゴンRスマイルが、ワゴンR全体の販売を押し上げて、なんとワゴンRが2021年10月の軽自動車新車販売台数NO.1に輝いたのだ。
軽販売NO.1の常連といえば、常勝N-BOXをはじめ、タント、スペーシアなどスーパーハイトワゴンが定位置だったのだが、少し背の低いハイトワゴンのワゴンRがNO.1になるのは、実に2014年12月以来、約7年ぶりの快挙達成となった。
またyahoo! が実施した、「自動車の検索急上昇ランキング2021(集計2021年1月~11月30日」においても軽自動車部門で1位を獲得。
まさにワゴンRがNO.1となった牽引役のワゴンRスマイルのどこに魅力があるのか、モータージャーナリストの渡辺陽一郎氏が徹底解説する。
文/渡辺陽一郎
写真/ベストカーweb編集部、スズキ
■軽自動車の売れ筋はスーパーハイトワゴンの御三家が人気独占状態!?
今は国内で販売されるクルマの40%近くが軽自動車になった。その中でも特に販売比率が多いのは、ミニバンのように背が高く、後席側のドアをスライド式にしたタイプだ。このスーパーハイトワゴンと呼ばれるタイプが、軽乗用車の半数以上を占める。
そのために月別に集計される軽自動車の販売ランキングを見ても、上位にはN-BOX、スペーシア、タントが並ぶ。いずれも全高が1700mmを上回るスライドドアを装着したスーパーハイトワゴンの軽自動車だ。
この人気動向についてメーカーの商品企画担当者は「今の30歳以下のお客様は、子供の頃からスライドドアを備えるミニバンに親しんで育った。その便利さを知っているので、大人になってもスライドドアを備えた車種を選ぶ。ミニバンだけでなく、軽自動車でもスライドドア装着車が好まれる」という。
たしかに軽自動車に加えて、コンパクトカーでもスライドドアを備えた背の高いルーミーが人気だ。
2021年1~10月の1ヵ月の平均登録台数は、約1万1300台に達した。ルーミーの売れ行きは、1ヵ月の平均届け出台数が約1万6000台に達するN-BOXにはおよばないが、スペーシアの約1万1200台、タントの約9500台よりは多い。
またLサイズの普通車でも、ミニバンのアルファードは、1ヵ月の平均で約8400台を登録している。このように軽自動車からLサイズのミニバンまで、今は背の高いスライドドアを備えた車種が人気だ。
トヨタの販売店からは「ミニバンの需要は意外に根強い。子育てを終えたお客様が、コンパクトカーに乗り替えることもあるが、ヴォクシーやノアを購入されることも多い。要するにミニバンはそれだけ便利で、特にスライドドアは人気の装備になっている」とコメントした。
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