NEXCOでは、冬用タイヤの早期交換を喚起し、冬道の安全運転を啓発する目的として、毎年初冬に冬用タイヤ装着率調査を実施している。
NEXCO中日本 金沢支社が12月7日にサービスエリア(SA)で冬用タイヤの装着状況を調査したところ、冬用タイヤの装着率は83%で、約2割が未装着だったとのこと。
そして、冬用タイヤ未装着の車両が多かったナンバーは、関西・中京圏だったことも判明している。
一方、NEXCO東日本新潟支社が12月8日に新潟県内などの高速道路4カ所のサービスエリア(SA)・パーキングエリア(PA)で実施した調査での冬用タイヤ装着率は、全体で95%だったという。
文/藤田竜太、写真/AdobeStock(トップ写真=One@Adobe Stock)
■夏タイヤは気温の低下で性能も低下する
ブリヂストンやダンロップなどのタイヤメーカーでは、雪が降り出す約1ヶ月前を目処に、スタッドレスタイヤの購入&履き替えを推奨しているので、12月7日の北陸地方で約2割の人がノーマルタイヤだったというのは不安というか、不用心といえるだろう。
ちなみに石川県金沢市の平年の初雪観測日は11月24日。つまりこの地域であれば、10月末には冬用タイヤへ交換するのが理想的なタイミングになる。
雪が降りだす一ヶ月も前から冬用タイヤの装着が推奨されているのは、雪がなくても気温が低いと夏用タイヤの性能がガクンと低下してしまうため。
気温が7度を下回ると、夏タイヤよりも冬用タイヤの方が性能的に優位になり、安心して走れるようになる。
さらに外気温が5度を下回ると、路面が凍結する可能性が出てくる。
水の凝固点は0度というのは常識だが、アスファルトは大気中よりも熱が逃げやすいため、外気温よりも低くなる傾向があり、気温が0度以上でも路面が凍結することがあるからだ。
路面が凍結してしまったら、夏タイヤではもうお手上げ。
そういう意味では、初雪の一ヶ月前に冬用タイヤに履き替えるというのはじつに理にかなったタイミングで、最高気温が7度を下回る日が増えてきたら早めにタイヤ交換を済ませておこう。
気象庁のHPにアクセスすれば、主要都市の「雪の初終日 平年値」がわかるので、これはけっこう役に立つかも。
ちなみに高速道路で「冬用タイヤ規制」が出された場合は、4WDやSUVでも冬用タイヤもしくはタイヤチェーンを装着していなければ走行はできない。
もし、「冬用タイヤ規制」が出されているにもかかわらず、チェーンなしの夏タイヤで高速道路を走り続けた場合は、「高速自動車国道等措置命令違反」で、違反点数2点(反則金なし)が課せられる。
高速道路を走行中に、「冬用タイヤ規制」が出された場合は、夏タイヤで走行しているクルマは、最寄りのインターチェンジで降りるしかない。タイヤチェーンを携行していれば、路最寄りのサービスエリアやパーキングエリアで装着したのち、引き続き走行が可能になる。
高速道路で「冬用タイヤ規制」が出ると、高速の入口(料金所)やSA・PAで全車、タイヤをチェックされる場合もあるので、くれぐれも規制には従うこと。
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