■本質が変わらなければ、クラウンはクラウン
若返りを図るために行われた今回のコンセプトチェンジは、逆効果だったと筆者は思う。なぜなら今の若年層が欲しがるモノは、「本質を極めたもの」だからだ。輸入車の真似事にも見える現行型クラウンは、クラウンの本質とはかけ離れてしまっている。
クラウンは日本人が日本のためだけに作ったクルマだ。1,800mmに抑えられた全幅、ふわりとした乗り心地は、走行性能の上限値では欧州車に負けるかもしれないが、日本の道路という限定的なフィールドであれば、クラウンほど快適に使える高級セダンは他にない。
クラウンがクラウンであることを突き詰めて、クラウンの本質を磨き上げたクルマを生み出せれば、これまでのファンも、これからのファンも作り上げられると思う。古きよきものは、今の若年層に「エモい」と刺さっているし、クラウンも「エモさ」を存分に出したほうが良い。
消費者がクルマに求めることは少しずつ変化している。しかし、クラウンへ求めることは、今も昔も変わらないように思う。
硬派な現行型クラウンに対する需要は少ないが、クラウン自体への需要は十分に残っているし、変わっていない。次期型ではクラウンの本質に立ち返り、いつの時代も変わらないクラウン良さを全面に押し出してほしいものだ。
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