絶滅危惧種か希望のハイテク技術か 最新ディーゼルエンジンの長所と実力

最新ディーゼルエンジンの良いところ4選

 「うるさくて環境に悪い」は昔の話、いまのディーゼル車は、これらの弱点を克服し、ガソリン車に負けない優れた特性があります。

 2021年12月には、フォルクスワーゲンが、低騒音・パワフル・低燃費に磨きをかけた新世代の2.0L直噴ターボディーゼルを搭載した「ゴルフGDI」を追加(2022年1月7日発売)。カーボンニュートラルが求められ、電動化に進む世の中において、ディーゼルエンジンを進化させてきたことは、自動車メディアや評論家を唸らせています。

 最新ディーゼルエンジンのいいところを4つ挙げてみました。

文:Mr.ソラン、エムスリープロダクション
写真:MAZDA、TOYOTA、MITSUBISHI イラスト:著者作成

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厳しい規制をクリアしている、現在のディーゼル

 現在のディーゼルエンジンは「クリーンディーゼル」と呼ばれ、窒素酸化物(NOx)や粒子状物質(PM)などの排出が少ないエンジンとなっています。日本では、新車のディーゼル車に対して、平成21年10月より、世界最高水準の厳しい規制である、いわゆる「ポスト新長期規制」を制定、一層の排ガス規制強化が行われています。

 これら厳しい規制をクリアするため、クリーンディーゼルは、通常、次の3つの技術を組み合わせています。

・高圧の燃料を自在に噴射制御できるコモンレール噴射システム
・高出力とともに、PM(ススを含めた粒子状物質)を低減するためのターボ過給
・PMを浄化するDPF(ディーゼルPMフィルタ)とNOxを低減する触媒

 クリーンディーゼル車の4つのメリット、それは「低燃費」「燃料がガソリン車よりも安価」「高い低中速トルク」、そして「PMの少ない排ガス」です。

高い圧縮比とスロットルレスで優れた燃費性能

 ディーゼルエンジンは、一般的に、ガソリンエンジンよりも20%ほど燃費性能が優れています。この差は、両エンジンが使用する燃料特性と燃焼方式の違いに起因します。

ガソリンエンジン
 ガソリン混合気を圧縮して、点火プラグの火花で混合気を着火させて燃焼。燃料のガソリンは、蒸発しやすく火花を飛ばすと容易に着火するので、圧縮比はノッキングが発生しないように比較的低めの9~12に設定

ディーゼルエンジン
 空気のみを圧縮して高温になった圧縮空気中に、高圧の微粒化した軽油を噴射することで、蒸発した軽油が拡散しながら自着火して燃焼。燃料の軽油は、比較的低い温度でも自着火するので、圧縮比は自着火できる高めの15~17に設定

 エンジンは、圧縮比が高いほど熱効率が向上するので、ディーゼルエンジンの方が燃費に優れます。また、ディーゼルエンジンは噴射量で出力が制御できるので、ガソリンエンジンのように吸入空気量を絞るスロットルが不要です。スロットルレスでポンピング損失が発生しない分、燃費がさらに向上するのです。

ガソリンエンジンは、混合気を圧縮して火花点火で燃焼。一方のディーゼルエンジンは、空気のみ圧縮して高圧の軽油を噴射して拡散しながら自着火して燃焼(イラスト:著者作成)

安価な軽油が燃料

 昨年、一時価格が高騰したガソリンなどの燃料ですが、ディーゼルエンジンの燃料である軽油はガソリンよりも安価。ディーゼル車は燃費がいいうえに、燃料も安いため、ガソリン車に比べてかなり経済的になります。

 同一モデルでディーゼル車とガソリン車が用意されている、マツダCX-30を例に、燃料代を比べてみましょう。CX-30のディーゼル車(1.8L直4ディーゼルターボエンジン)のWLTCモード燃費は19.2km/L、ガソリン車(2.0L直4 無過給エンジン)の燃費は15.4km/Lです。ディーゼル車の方が、モード燃費は約25%優れています。

 軽油132円/L、ガソリン155円/Lとして、年間10,000km走行すると想定すると、ディーゼル車の年間燃料代は68,750円、ガソリン車は100,649円となり、1年の燃料代はディーゼル車の方が約32,000円も安く済みます。

マツダのコンパクトクロスオーバーSUV「CX-30」。2019年にデビューして、ガソリンとディーゼルに続いて、2020年にはSKYACTIV-Xを搭載して話題となった

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