入金から2年たっても納車ナシ返金ナシってマジか… 被害者続出!! 狂気の車販売店「デュナミスレーシング」の闇

■ディーラーが怒るほど安い値段で販売?

 デュナミスレーシングはとにかく新車がすさまじく安かった。以下は今もデュナミスレーシングの公式サイトに掲載されている2020年6月の新型車価格表である。

並みいる人気車が20万~40万円引きの価格で掲示されている。下部のモザイク部分にはO社長の名前と個人の携帯電話番号が記されている。それにしてもなぜ(未発表車である)「TJクルーザー」の価格まで…?
並みいる人気車が20万~40万円引きの価格で掲示されている。下部のモザイク部分にはO社長の名前と個人の携帯電話番号が記されている。それにしてもなぜ(未発表車である)「TJクルーザー」の価格まで…?

「デュミナスレーシング」の当時の主な車種の販売価格は以下のとおり。

●新型ハスラー
G 2WD 定価:172万円→141万円
G 4WD 定価:186万円→151万円

●新型ハリアー(予約受付中)
予想価格2WD:368万円→327万円
予想価格4WD:388万円→342万円

●新型フィット BASICセンシング付き 1.3L
2WD 定価:219万円→189万円
4WD 定価:240万円→210万円

●新型RAV4
X 2WD 定価:323万円→305万円
X 4WD 定価:347万円→325万円

●新型アルファード/ヴェルファイア
X 2WD 定価:436万円→385万円
X 4WD 定価:462万円→410万円

●新型N-BOX
2WD 定価:181万円→158万円
4WD 定価:195万円→178万円

●スペーシアカスタム ハイブリッドGS
定価2WD:201万円→172万円
定価4WD:213万円→184万円

●セレナ
S 定価2WD:333万円→286万円
X 定価4WD:366万円→319万円

 新車販売店としてはありえない値引き額に驚くが、さらに驚愕なのは、これらが車両本体価格ではないということ。フロアマット、サイドバイザー、バックカメラ、カーナビに、なんと諸費用までが含まれた価格なのである(つまり乗り出し価格ということ)。一体なぜこんな価格が実現できるのか?

 O社長と長年の付き合いがある客の一人はこう話す。

「私が購入したのは7年前ですが、その当時からこれくらい安かったですよ。ちなみに当時は問題なく納車されていました。O社長は昔から『車は購入後も車検やらタイヤ交換とかもあるから、長く付き合いながら儲けていきたい』と言ってました。」

 その後のメンテナンスまでを考えて新車価格を爆安価格に設定しているということのようだが、それにしても安すぎる。車検だって新車を買った客が絶対デュナミスレーシングで車検を受けることが確約されているわけでもないし…。

■異常に安い販売価格でディーラーに怒られていた

 10年以上前からデュナミスレーシングに出入りしている業者は、ディーラーのお偉いさんがO社長を説教しているシーンに出くわしたこともあるという。

「仕切り価格(卸し)以下で売るのはやめてくれ!とディーラーの人に怒られてましたよ。あまりにも安すぎるということでしょう。ディーラーの仕切り価格以下で販売してどうやって利益を出していたのかとても不思議です。納車に時間が掛かるようになったのはこの2-3年だと思いますし…」

衝撃的な注文見積り書。アルファードの新車が(諸経費込みで)210万円引きの320万円と記載。安いにもほどがあるが…
衝撃的な注文見積り書。アルファードの新車が(諸経費込みで)210万円引きの320万円と記載。安いにもほどがあるが…

 ディーラーから叱られるほどの爆安価格であったことは間違いないようだ。そしてこの2~3年は「納車が激しく遅れる」ことが目立っていたが、驚くことに、そもそもディーラーに「発注していなかった」という例も少なからずある。つまり、注文書を作り「2週間以内に入金してくれたらさらに20万円安くする」、「エアロをサービスする」などの甘い言葉で客を騙し、前金で入金させる。

 しかし、ディーラーには発注しない。発注しなければ納車されるはずもない。それならばいくらでも安くできるだろう。

 もちろん、納車の度重なる延期に激怒し、購入をキャンセルし返金を要望する客もいた。この場合、誓約書を書かせて「●月●日までに●●●万円返金」を約束させるのだが、誓約書があっても期日通りに返金されることは稀だった。期日を守らないばかりか、何度も何度も返金日を延長されて、結局、いまだに返金されていない客も少なくない。

 そんな客に対して、O社長は「今は返金できないが、12月終わりにはお金が入るので返金が可能になります」と、このようなことをよく言っていたという。つまり、新規の客が新車を契約して全額を入金する。そのお金を返金にあてていたわけだ。恐ろしいまでの自転車操業だ。

客とのやり取りは主にLINEでおこなっていた
客とのやり取りは主にLINEでおこなっていた

 そして返金に成功した人は2割程度という話もある。では、どんな人が成功しているのか?

「おとなしくLINEで催促しているだけでは舐められます。店に乗り込んで殴り掛からんばかりの勢いで激怒しながら返金を迫る。約束の期日までに返金できないなら訴える、警察に通報する、弁護士を同行させる、(発注したとウソをついていた)ディーラーの店長に立会ってもらう…など、強く出た人に対しては返金していたようですよ」(返金に成功したBさん)

 まさしく狂気の自動車販売店と言っていいだろう。

次ページは : ■入金しても納車されない、返金されない悲劇

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