ホンダのラストF1を見届けたオトコの現場レポート!「2026年、ホンダF1復活か!?」

ホンダのラストF1を見届けたオトコの現場レポート!「2026年、ホンダF1復活か!?」

 あれだけ、「ホンダF1最後の戦い」と世界中を騒がせながら感動の有終の美を飾ったホンダだったが、なんだか雲行きが怪しくなってきた。2022年もレッドブル/アルファタウリにエンジンを供給し、サポートを継続するらしいのだ(サポートはHRCが行う)。

 実はこの原稿、「F1アブダビGPレースレポートとホンダF1の終焉」というお題目が与えられていたのだが、どうやらホンダのF1は終わりそうにない。これでも撤退と言えるのか? 「2026年ホンダF1復活説」もふまえてフェルディナント・ヤマグチ氏がレポートする。

文/フェルディナント・ヤマグチ写真/ホンダ、フェルディナント・ヤマグチ

【画像ギャラリー】筆者の撮った生の写真から2021年F1最終戦レッドブルホンダ有終の美の感動を振り返る!!(12枚)画像ギャラリー

■ホンダラストF1のレース後について語ろう

 2021年シーズンF1最終戦、アブダビGP。「劇的」と呼ぶにふさわしいラスト1周の逆転劇により、「オランダのフェルちゃん」ことレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが勝利した。これによりフェルスタッペンは初のドライバーズチャンピオンを獲得し、ホンダは最後の最後にパワーユニットサプライヤーとして有終の美を飾ることができた。

フェルスタッペンがゴールした直後。山本MDと
フェルスタッペンは真っ先に山本MDの元へ駆け寄ってきた。みんなに頭をバチバチ叩かれていた。私も記念に叩かせていただいた
喜びを爆発させるレッドブルの皆さま。そりゃ嬉しいでしょう!

 この歴史的瞬間に現場で立ち会うことができて、本当に幸福に思う。

 レース展開の詳細について、そしてレース結果を大きく左右した周回遅れのマシンの扱いで、後々まで遺恨が残るような不可解な裁定が下されたことについても、読者諸兄におかれては充分に承知しておられようから、ここで改めて述べる必要はあるまい。

 ここではレースの「その後」の展開について、現状私が知るかぎりのことを書きたいと思う。

■ホンダF1撤退っていったい何だったの?

 ホンダは2021年をかぎりにF1から撤退する“こと”になっている。だが実態はどうか。

 ホンダのF1エンジンの知的財産権はレッドブルが引き継ぐ。その受け皿として、レッドブルは独自のエンジン部門である「レッドブル・パワートレインズ」を設立した。知的財産を受け取ったところで、エンジンはそう簡単に作れない。そんなことは当のレッドブルが一番よくわかっている。

 だからエンジンは当面日本のSakura(本田技術研究所HRD Sakura)で作られる。知的財産権はレッドブルが持つが、実際に組み立てるのはホンダなのだ。しかもイギリスではなく日本で。これで「完全」撤退と言えるのか。

 ホンダのF1テクニカルディレクターだった田辺豊治氏はそのままホンダに残り、レッドブルへの業務移管作業に従事する。移管作業。どのようにでも解釈できる広い業務だ。

レース後にホンダのホスピタリティトラックの前で。田辺さん、もう少し嬉しそうな顔をしてください(笑)

 当然F1の会場にも氏は頻繁に姿を現わすことになろう。着慣れたホンダのユニフォームを着用することはなくなるが、どこかにホンダのロゴがプリントされたウェアを着て会場入りする。要するに今までとあまり変わらない。

■ホンダF1の山本雅史MDがレッドブルとコンサル契約へ!!

 F1マネージングディレクターだった我らが山本雅史氏は、2022年1月末日をもってホンダを退職する。その話を聞いた時は「誰も慰留しなかったのか……」とホンダの冷淡さに呆れもしたのだが、氏の去就が気になるところだった。

 そのままレッドブルに転職するとか、メルセデスから声をかけられているとかさまざまな噂が飛び交ったが、山本氏は最終的に個人会社を設立し、レッドブルとコンサルタント契約を締結する道を選んだようだ。

 その契約のもと、従来に「近い」仕事をすると聞いている(この話は山本氏から直接聞いたのではなく、周辺情報を組み合わせた2022年1月25日現在の内容である。これから大ドンデン返しが起きる可能性もある)。

 今まではレッドブルの車体に大きくホンダのロゴが描かれていた。2022年からそれはなくなるが、完全に消されるわけでもなさそうだ。小さくはなるが、どこかにホンダのロゴが残される。「レッドブル・パワートレインズ」と名前は変わるが、その実態は今までどおりホンダが作るホンダのエンジンであり、運用の多くにホンダが携わる。

■ホンダが2026年にF1復活の真実!?

 ホンダはF1撤退の理由を、「カーボンニュートラルの実現へ向けて、」としている。それならGTからもMotoGPからも撤退しなければいけないはずだ。「世界最高効率」を謳うF1のほうが、よほど効率よく燃料を燃やしているのではないか。

 実は2026年にF1のエンジンは大きく変更される。今年を含め、あと4年間は今のままの設計のエンジンを使い続けるということだ。その期間、ホンダはレッドブルのサポートを継続すると見られている。結局今までどおりである。「完全」撤退からは程遠い印象だ。

実質ホンダのサポートが今まで通りだとすると2022年度もレッドブルホンダとメルセデスの一騎打ちが見られる公算が高い

 さらに、ここへ来て「あらぬ噂」を耳にした。

 2026年からホンダがF1に戻るというのだ。同じタイミングでアウディがF1に参入するという話もある。ホンダにアウディ、そしてレッドブル。メルセデスだって黙ってはいまい。まさにF1戦国時代。大乱戦必至である。ファンとしてこんなにめでたいことはない。

 実はこの原稿、ベストカーWeb編集部からの依頼で「F1アブダビGPレースレポートとホンダF1の終焉」というお題目が与えられていたのだが、どうやらホンダのF1は終わりそうにない。

 サプライヤー筋からも「ホンダは2026年に復活しますよ。僕らもそのつもりで動いていますから」という声が聞こえてくる。ホンダF1第5期を心して待とう。出入りが激しいのはあまり格好のいい話ではないが、こうした前言撤回は大歓迎である。

 2022年シーズン。私はとりあえずバルセロナで開かれる各社のテストは帰国後の隔離上等で見学に行こうと思っている。山本さんや田辺さんにも現地で挨拶してこよう。

F1オフィシャルスポンサーであるエミレーツ航空のCAのみなさまと。そういえば22年シーズンからスタート前の各国空軍によるエアショーをカーボンニュートラルの一環で中止するらしいですね。なんかランボのアイドリングストップみたいで滑稽ですね
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