モータースポーツ好きだけでなく、日本人にとって衝撃的なニュースが飛び込んできた。ホンダが2021年シーズン限りでF1活動を終了することを、2020年10月2日17時からオンライン会見を開き正式発表した。
同時にリリースも出されたので、それをもとにレポートしていく。
ホンダにいったい何が起こったのか?
文:ベストカーWeb編集部/写真:HONDA
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撤退理由は2008年とほぼ同じ
ホンダはこれまでもF1への参戦、撤退を繰り返していて、第1期(1964~1968年)、第2期(1983~1992年)、第3期(2000~2008年)を経て、2015年にF1参戦を開始。
2008年にはリーマンショックに端を発する世界的不況に対し、ハイブリッドカーの開発に注力する、という理由でF1から撤退。
今回発表された撤退理由は、『2050年カーボンニュートラルの実現』を目指すため。
その中心となる燃料電池車(FCV)、バッテリーEV(BEV)など、将来のパワーユニットやエネルギー領域での研究開発に企業資源を重点的に投入する必要に迫られたからだという。
時代の変化により、ハイブリッドカーからFCV、BEVに研究開発する対象が変わったが、基本的には第3期にF1撤退した時と同じ。
残念だしもったいない
ホンダのF1撤退発表はファンにとっては青天の霹靂以外の何物でもないだろう。
2015年にパワーユニットサプライヤーとしてマクラーレンとパートナーを組んでF1に復帰して2年間はまったく鳴かず飛ばず。ホンダの名が泣くと揶揄されたり、フェルナンド・アロンソからはGP2のマシンみたい、と皮肉られたり踏んだり蹴ったり。
マクラーレンに独占供給された2015~2017年はホンダの暗黒史ともいえる状態で、ファンにとっても黒歴史だったに違いない。
2018年にトロロッソ(現在のアルファタウリ)への供給を経て、2019年からはレッドブルにパワーユニットの供給を開始し、2019年第9戦のオーストリアGPで復帰後初優勝をマーク。さすがホンダと称賛された。
今シーズンもメルセデスの強さは際立っているが、いつかホンダがメルセデスを追い落とし、本当に強いホンダを見せてくれると期待感満点だった。実際に10戦中2勝をマークしている。
そして第10戦のロシアGPでは、パワーユニットを供給するレッドブル、アルファタウリの4人のドライバーがすべてポイントゲットするなどポテンシャルがアップしているのは確実で期待感が高い。
レッドブルには次期チャンピオン候補のフェルスタッペンもいる。レッドブルはノウハウを持っているし、ホンダとの関係も良好。それだけに残念だしもったいない。
残りのレースでファンを納得させてほしい
ホンダ=F1のイメージは強く、周囲からの復帰待望論は強かった。しかし、ホンダが2015年にF1活動を再開したのは、社員のモチベーションを高める意味合いも大きかったという。F1撤退により、ホンダ社員のモチベーション低下が心配だ。
「やっぱりF1撤退するのをやめる」、と今回の発表が覆ることはないだろう。
となれば、2020年の残りレース、そして最後の1年となる2021年にファンが納得する形(成績)を残してくれることに期待したい。
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