人気の過去モデルをBEVで復刻は十分に考えられる
日産のコンパクトモデル、というと、いま中古車市場では、マーチの派生車である「フィガロ」や、クロスオーバーSUVの先駆車である「ラシーン」の価格が高騰している。テレビやネットドラマで登場したことがトリガーとなって、昨今注目が集まっているのだ。
これらは、すでに登場から30年ほど経過しているモデルであり、排ガス規制レベルが古い当時のエンジンのまま、復刻することはできないが、デザインをそのまま生かしつつ、バッテリーEV化する、という手は十分に考えられる。
フィガロはマーチの派生車かつコンパクトなサイズであり、プラットフォームを共用し上屋を作り分けるような開発は不可能ではない。当時よりもワイドボディのフィガロとなるかもしれないが、それもまた面白い一台になるだろう。また、全車が4WDだったラシーンも、CMF-BEVの後輪駆動システムが用意されれば、実現不可能ではないはずだ。
現在のラシーンやフィガロの人気に乗じないのはもったいなさすぎる。これ自体は利益が上がらない(もしくはマイナス)のプロジェクトだったとしても、日産のイメージを一新させる大きなきっかけにはなってくれるような気がする。
先日、女優の伊藤かずえさんが31年間ものあいだ乗っていたY31シーマを、オーテックジャパンがレストアし、大いに話題となった。またNISMOも、第2世代のR32~R34スカイラインGT-Rの純正パーツの復刻販売を開始している。もちろん簡単ではないだろうが、自身が切り拓いたブランドを大切に、ぜひメーカー純正の復刻車を用意してほしい。
「歴史あるメーカー」の強みを今こそ!!
大量生産、大量販売をグローバルで行う日産自動車には、そうした復刻車の製造販売は難しいかもしれない。可能性があるとすれば、オーテックだ。
バッテリーEVとなった次期型マーチも楽しみだが、フィガロBEVやラシーンBEVが、300万円程度で登場すれば、大いに話題になるだろう。フィガロ販売当時のように、限定の抽選販売とすれば、さらに話題性は高まる。
これまで日産は、多くの名車を生み出してきた。しかし、ラシーンやフィガロのように、登場から30年経過した今もこれほどまでに支持されるブランドは多くはない。「最新のパワートレインに、クラシカルなエクステリアとインテリア」という組み合わせは、テスラのような歴史の浅いメーカーでは不可能であり、昔からクルマを作ってきた日産のような自動車メーカーだからこそ出来ることだ。
「あの頃のクルマはよかった」で終わらせるのはもったいない。ぜひとも、新たな展開を期待したいところだ。
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