愛称が「死神」ってなにごと!? 超個性派な鉄道車両の愛称と由来に迫る

■「死神」と呼ばれる機関車たち

引退し廃車になる車両を解体場所へと輸送するEF64-1031号機。その役割から『死神』という愛称を持つ
引退し廃車になる車両を解体場所へと輸送するEF64-1031号機。その役割から『死神』という愛称を持つ

 実は、死神という大変不吉な呼び名で呼ばれる機関車が存在する。もちろんこれは正式な名前ではなく、あくまでファンの間での俗称で、EF64形電気機関車の1030号機、1031号機、1032号機の3両のことを示している。

 実はこの死神機関車たちには重要な役割がある。それは引退し、廃車になる車両を解体が可能な場所へと輸送することだ。機関車と、普段私たちが通勤通学などで利用している列車とは、連結器が異なっておりそのままでは連結ができない。

 しかし、この3両のEF64には「双頭連結器」といった連結器やブレーキに関する装備が付いており、牽引することが可能なのだ。

 普段は長岡車両センター(新潟)に所属しているが、関東での引退した車両などを、解体場所である長野車両センターなどに輸送する任務があると、はるばる上越の山々を越えてやってくる。

 通称「新津配給」と呼ばれる、総合車両製作所新津事業所で製造された新車の輸送時にも牽引しているのだが、廃車回送の方がもっぱら記憶に残るせいか、ファンの間から死神と呼ばれるようになったようだ。

 そんなEF64も製造から40年が過ぎている。後継車両として、事業用車両のE493という車両が登場し、現在試運転を重ねている状況だ。高齢化した死神たちの役割が終わり、墓場へ運ばれる……そんな日も近いのかもしれない。

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