ダイハツの新型車開発や認証に関してはトヨタが責任を持ち、ダイハツは受託して開発を行うこととなった。ともあれユーザーとして気になるのは新型トール/ルーミーがどうなるのか? なハズ。 現行モデルはすでに7年も経過しており、その間にライバルソリオは新型に切り替わるなど、一日でも早いモデルチェンジに期待がかかっている。ダイハツのドル箱商品は一体次どうなるのか!!?!?!?!
文:吉川賢一/写真:ダイハツ
■軽とコンパクトカーのいいとこどりをした「こういうのでいいんだよ」クルマ
両側スライドドアを備えた全長3.7mほどのコンパクトボディでありながら、広々とした室内空間や、多彩なシートアレンジ、最小回転半径4.6mという軽自動車並みの小回りなどが魅力のトール/ルーミー/ジャスティ(ルーミー/ジャスティはトールのOEMモデル)。
軽自動車にも採用されるプラットフォームから、全幅と全長をストレッチして車内を広げることで、軽よりも居住性と収納性を向上させ、ドアの厚みも増やして衝突安全性も強化するなど、軽自動車のよさを維持しながら弱点を補うことで「ちょうどよい性能」にまとめた、ハイトワゴンタイプのコンパクトカーだ。
2020年9月のマイナーチェンジでは、フェイスリフトを含む内外装デザインのアップデートのほか、9インチの大型ディスプレイオーディオを全車にオプション設定したり、予防安全機能スマートアシストを全車標準装備、また、全車速追従機能付アダプティブクルーズコントロールも搭載するなど、大規模に商品改良がなされた。価格は税込156万円~210万円(ルーミー)だ。
トヨタのラインアップでは、ルーミーと同じようなボディスタイルのコンパクトカー「シエンタ」があるが、シエンタはルーミーよりも価格帯がやや上(税込199万円~323万円)。軽自動車とコンパクトカーそれぞれのいいとこどりをしたルーミーのようなコンパクトカーは、開発するダイハツはもとより、トヨタにとっても必要であるはず。
冒頭でも触れたように、今後は開発の体制が若干変わるようだが、おそらく今後も、トール/ルーミー/ジャスティの開発は、ダイハツが培ってきた顧客要望を聞き取る「嗅覚」に任せることになるだろう。
■eスマートハイブリッドの1Lエンジン版が用意されると予想!!
しかしながら、トヨタの介入によって、パワートレインに関しては、より環境対応を考慮したものが投入されることになると考えられる。現行モデルのパワートレインは、ダイハツ製の排気量1.0L直列3気筒エンジンで、WLTCモード燃費はターボ版が16.8km/L、自然吸気版が18.4km/Lで、実燃費は11~13km/L程度。
同じくコンパクトカーであるヤリスが1.5L直3自然吸気エンジンで21.3km/L、ロッキー/ライズが1.2L直3自然吸気エンジンで20.7km/Lであることを考えると、競争力は乏しく、トヨタがこれで「OK」とするとは考えにくい。
順当に考えれば、次期トール/ルーミー/ジャスティには、ロッキー/ライズのパワートレインが搭載されることになるだろうが、そうなると排気量が1.0超~1.5L以下の枠となり、自動車税額は25,000円から30,500円へと、4,500円ほど上がることになり、燃費競争力の面でも、この先7~8年はつくり続ける次期型車としては、新しいユニットが欲しいところだ。
そこで筆者は、次期トール/ルーミー/ジャスティには、現行ロッキー/ライズに搭載されている1.2Lエンジン発電の「e-SMARTハイブリッド」の1.0Lエンジン版が用意されるのではないかと考えている。トヨタ流のシリーズ・パラレル式ハイブリッド(THS)では、ガソリン車よりも40万円ほど価格が高くなってしまうが、ダイハツのシリーズ式ハイブリッドであれば、価格アップは30万円程度で「まだまし」だ。
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