絶滅危惧種というイメージがある3ペダルMT車。実は欧州では、まだまだ選択肢は多いのですが、ここ日本で購入できる新車のMT車となると、かなりかぎられます。そういう意味では、日本においては絶滅危惧種と言っていいでしょう。
そのなかから、自称MTフェチの私が日本でも新車で買えるMT車を5車種、選ばせていただきました。
文/安東弘樹、写真/安東弘樹、トヨタ、スズキ、マツダ、ダイハツ、日産、ホンダ、ベストカー編集部
■シフトフィールも素晴らしいスイフトスポーツ!
まずは発売年の2017年に、その年のカーオブザイヤー(以下COTY)に私が選んだスイフト。そのなかでももちろん、6速MTを選べるのは「スイフトスポーツ」です。
140ps/230Nmの1.4L直噴4気筒ターボエンジンは1トンを切る「スイスポ」を軽々と走らせます。初めて試乗した時は運転が楽しすぎて、予定していた試乗時間を大幅に延長して2時間半、ずっと走っていました。
ステアリングフィールも上々。そして私にとって最重要点であるシフトフィールですが、コク、コクと節度を伴って、各ゲートに入り、剛性感も、まずまず。これも重要な、ペダルレイアウトも違和感なく、気付くと、「楽しい」と呟いている自分に気付きました。
しかも、このクルマが200万円前後で買えるのです。5ドアのハッチバックで普段は「便利に使える」「スポーツカー」を作ってくれたSUZUKIに感謝です。
■ハイブリッドが定番のカロスポにも唯一無二のMT仕様が存在する
2台目はこれも私が2018年のCOTYに選んだ、カローラスポーツです。ハイブリッドモデルでは当然? MTは選べませんがGグレードのガソリンモデルで6速MTを選ぶことができます。
1.2L4気筒ターボエンジンは116ps/185Nmと平凡なスペックですが、1300kgのクルマを充分、元気に走らせてくれます。また、iMTという名のMTは坂道でもクルマをホールドさせ、シフトダウン時には自動的に回転を合わせてくれますので、MTへのハードルを少し下げてくれるのではないでしょうか。
MTを語る時、「坂道発進が怖い」というドライバーが圧倒的に多いので、ぜひそんな方は試していただきたいと思います。
ちなみにスイフトスポーツとカローラスポーツは、各々、テレビ番組(どちらも旅番組)で終日、MTモデルを運転したのですが、運転が楽しくて疲労を感じることはまったくありませんでした。
それぞれ、スズキとトヨタの1社提供の番組でロケで使うクルマを私が選ばせていただいたのですが、ともに「出演者が車種を指定してきたのも、ましてやロケでMT車を使うのも初めて」だということです。
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