■CAFÉをクリアできるマツダのパワーユニットはPHVだけ?
違う観点で見ると、ラージ商品群でCAFÉ2021をクリアできるパワーユニットは、PHVだけしかないということになる。当然ながら欧州での頒価も高額。日本だとあまり知られていないことながら、欧州って同じボディサイズであっても、アウディやBMWを買う層と、オペルやフォードなどを買う層は違う。マツダというメーカー、どちらかといえば後者と同じブランドイメージです。
そこにBMWやメルセデスに近い価格帯のクルマを出すというのだから、ハードルの高いビジネスになることは間違いない。エルメスやヴィトンのバッグに、エルメスやヴィトンのクォリティを目指して開発した日本製のバッグで勝負をしようということ。
しかもマツダ、予算不足でブランド作りをまったくしてこなかった。お金に余裕のない高級ブランドって、その時点で厳しいと私は思う。
もちろんモータースポーツで勝ちまくっているとか、燃費のいいクルマをたくさん出しているなど文化&文明的な魅力あれば別ながら、ラージ商品群の武器を見ると、後輪駆動ということくらいしか考えられない。
もっと言えば、欧州市場はカンパニーカー制度。日本で言えば住宅手当のようなもので、会社から支給される。ここにきてカンパニーカーは電気自動車がメインです。
■CX-60を買う明確なユーザー層がイメージできない……
ということで、欧州でCX-60をどんな人が買うのか、私だとイメージできない。BMWやメルセデスを買っている人たちがマツダを買うなんてあり得ないです。今までマツダを買っていたユーザー層からすると、高額過ぎて手が出ない。カンパニーカーとしては、そもそも不利な日本車ということだけでなく、企業イメージ向上に直結する電気自動車でもないから難しい。
欧州、厳しいと考えます。じゃ日本ならどうかというと、3300ccの直列6気筒ディーゼルがメインになるだろう。間違いなく頒価500万円超え。ただでさえマツダで最も売れているのはマツダ2(旧デミオ)というコンパクトカーである。そしてディーゼルエンジン車の売れゆきだって厳しい。ディーゼルエンジンを積むマツダ車に500万円以上出そうというユーザーがどれだけいるだろうか?
成功する可能性があるとすればアメリカくらい。3000ccの直列6気筒ガソリン車の走りがパワフル&ファンタスティックなら、ある程度売れるんじゃなかろうか。ただ、アメリカも日本車のお得意さんである西海岸と東海岸は電動化が重要になってきている。イマドキ直列6気筒で勝負できるか疑問。
以上、厳しく評価したが、クルマは実車を見て評価したい。ニューモデル、CX-60の試乗を楽しみにしています。
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