まさにトルクの塊!! 究極の直列4気筒ターボ!! ランエボ躍進の原動力となった4G63の進化を振り返る

■WRC撤退とともに迎えた終焉

2006年登場のランサーエボリューションIX MR
2006年登場のランサーエボリューションIX MR

 2005年に登場したエボIXで4G63はインテーク側に可変バルブタイミング機構を備えた4G63 MIVECへと進化した。

 RSとGTはタービンホイールがチタンアルミ合金、コンプレッサーホイールにマグネシウム合金のターボTD05HRA-16G6mC-10.5T、GSRは同じサイズのメタルタービンTD05HR-16G6-10.5Tに変更。RSとGTは最大トルク41.5kgm(GSRは40.8kgm)まで高めている。

 エンジンはMIVECの効果なのか、全域でレスポンスしてくれるものになった。RSにチタンアルミ合金+マグネシウムターボは、素晴らしくレスポンシブルで、風量のあるターボが素早く反応するところに不思議な感覚があった。

 そして4G63の最終型になるのがエボIX MRだ。GSR、RSいずれもチタンアルミ合金ターボで、型式はTD05HRA-155G6C-10.5T。コンプレッサーホイールの入り口径を小径することでレスポンスの向上を図っている。オプションでチタンアルミ+マグネシウム合金ターボも設定。

 エンジンは全域パワフルかつトルクフルだし、足回りはしなやかで懐が深いし、限界領域のコントロール性はすこぶるいいし、AYC、ACDはその恩恵をシリーズ中もっとも強く感じられる。

 このクルマならどんな場面でも早く確実に走ることができる、そんなふうに感じさせるまさにコンペティションマシンとしてのエボシリーズの集大成といったクルマでした。

 また、三菱は2005年12月にWRCからの撤退を発表。4G63もその進化の歴史にピリオドを打ったのだった。

【画像ギャラリー】三菱ラリーアート復活記念!! 名機「4G63」を搭載した歴代ランエボを振り返る(46枚)画像ギャラリー

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