■EVバッテリー交換に中国・CATLが参入
世界最大の車載電池メーカーである中国CATLが、EVのバッテリー交換ビジネスに参入した。「EVOGO」という交換システムを作り、まずは中国10都市でサービスを始めるようだ。
バッテリー交換ビジネスとは、バッテリーを充電する代わりに、満タンのものと交換してしまおうという考え方。
バッテリーの交換拠点を整備する必要はあるものの、交換自体は機械まかせで、わずか2〜3分の作業だから、EVライフにつきものの「待ち時間」から解放されるという大きなメリットがある。
この事業、過去には失敗例もあるのだが、近年は台湾の電動スクーターなどで普及が進み、中国ではNIOや吉利が自社のEVに採用し始めている。
そんなタイミングで巨人CATLが動いたわけだから、今度こそ仕組みが根付くのでは? と多くの期待を集めているわけだ。
先に述べた「失敗例」では、自動車メーカー自体がバッテリー交換に興味を示さなかったことが大きな敗因だった。しかしCATLは多くのメーカーにバッテリーを納品しているため、各社が共有できる規格を作りやすい。
実際、今回発表された規格には、すでに中国国営の第一汽車が対応を発表しているし、それ以外のメーカーとも互換性を持たせられるようだ。
充電に悩まされるEVライフは、意外と早く終わるのかもしれない。
■インディカーを使った無人レースがスタート
アメリカでフォーミュラカーを使った無人レースが始まった。「インディ・オートノマス・チャレンジ」という。
このレースは、インディライツの車両を使って、超高速での自動運転技術を競おうというもの。優勝賞金15万ドル、アドバイザーに自動運転の神様セバスチャン・スランも名を連ねる本格イベントだ。
車両(ダラーラ製)やタイヤ(BS製)、搭載するセンサー類は共通で、参加者はそれらを駆使するプログラムの出来栄えを争う。
昨年秋、インディの聖地インディアナポリスで初戦を行った後、今年1月に家電見本市のCES開催を記念してラスベガスで第2戦を開催した。
集まったのはバリバリのレーシングチームではなく、自動運転を研究する各国の大学の研究チーム。2台1組で追い越し競争を行い、より速いスピードで相手を追い越せたチームが勝ちとなる。
レース中、マシンに指示できるのは速度だけで、LiDARやカメラ、レーザーレーダーの動作は、事前に作ったプログラムから変更できない。
栄えあるレースに優勝したのは、イタリア・ミラノ工科大学と米・アラバマ大学の合同チームで、レース中の最高時速は278kmに達した。
数十台のライバルを相手に、時速300km超のバトルを繰り広げる日も、遠くないのかも。
■そのほかの近未来系ニュースを20秒でチェック
●ステルス戦闘機のようなデザインで、世界中から予約を集めているテスラのサイバートラック。本来ならば間もなく生産が始まる予定だったが、丸1年延期になったようだとロイターが報じている。
理由ははっきりしないが、製品のアップデートのためというのがもっぱらのウワサ。
確かに最近、GMCハマーやフォードF150、シボレー・シルバラードといったライバルが相次いで電動化を発表しているから、商品力アップは必須かもしれない。ともあれ攻撃的なあのスタイルを早く見てみたいものだ。
●行政サービスのデジタル化が進み、昨年から運転免許の更新手数料などがキャッシュレス決済できるようになったが、2022年度からは車検手数料や交通反則金も同様の扱いとなりそうだ。
この流れは「情報通信技術利用納付法案」の国会提出を受けたもので、成立すれば自宅にいながら各種料金の支払いが可能になる。今までの銀行や郵便局に出向く手間を考えれば朗報だが、反則金でポイントが貯まっても、あまりうれしくないなぁ。
●新規参入が続く自動車業界だが、ドローンで世界シェアトップの中国DJIも、自動運転に参入するようだ。
同社は昨年春、「DJIオートモーティブ」という会社を立ち上げ、自動車の無人運転に取り組み始めた。ドローンの自律航法で培った技術はさすがにレベルが高く、早くもフォルクスワーゲンや上汽通用五菱汽車などが提携に動き出した模様。どうやら「空飛ぶクルマ」も構想にあるようだ。
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