北米偏重!? 日本は見捨てられたのか? 日産は今後どうなる

■今後の日産の日本市場はどうなっていく?

 日産は数え方にもよるが、日本で商用車を含め26モデルをラインナップしている。

 最新データとなる2018年7月に日本で、軽乗用車を除く登録乗用車を約3万台販売している。

 今年7月の登録乗用車の販売台数は日本で商用車を含め21モデルをラインナップするホンダも約2万9000台と日産近く、ホンダと比較しながら日産の国内販売を考察してみる。

【今年7月に1000台以上売れた登録乗用車】

・日産
ノート 1万1689台(販売台数1位)
セレナ 8927台(販売台数7位)
エクストレイル 3760台(販売台数22位)
リーフ 2040台(販売台数32位)

・ホンダ
フィット 9144台(販売台数6位)
フリード 7016台(販売台数11台)
ヴェゼル 4724台(販売台数17位)
ステップワゴン 4381台(販売台数18位)
シビック 1522台(販売台数36位)
シャトル 1282台(販売台数38位)
オデッセイ 1229台(販売台数40位)

 ノートが7月も含め今年に入って4回も登録乗用車の販売台数1位になっているのは快挙だ。

 しかし日産は登録乗用車の91%を上記の5台で占めており、クリーンナップとなるクルマへの偏りが感じられる。もし主力車種が傾いたときのリスクは大きい。

 また日産車のラインナップは「このクルマ出たのずいぶん前じゃなかったっけ?」というモデルがかなりある。こちらもホンダと比較したい。

【主なモデルの登場時期】

・日産

1999年 シビリアン(マイクロバス)
2006年 NV150 AD(プロボックスと同じクラスのライトバン)
2007年 GT-R、アトラスF24(1.15トンから2トン積みのトラック)
2008年 フェアレディZ、キューブ
2009年 フーガ、NV200バネット
2010年 ジューク、マーチ、エルグランド
2012年 ノート、NV350キャラバン、シルフィ、シーマ
2013年 デイズ(三菱自動車からの供給)、エクストレイル、スカイライン、NT450アトラス(三菱ふそうから供給)、NT100クリッパー(スズキから供給)
2014年 e-NV200、デイズルークス(三菱自動車から供給)、ティアナ
2015年 NT100クリッパー(スズキから供給される軽1BOXカー)
2016年 セレナ
2017年 リーフ

クラウンの対向馬となるべきだったフーガ。15代目となったクラウンからすれば13代目クラウンの登場以来、フーガはモデルチェンジしていない

・ホンダ

2009年 アクティトラック(軽トラック)
2012年 N-ONE
2013年 アコード、ヴェゼル、オデッセイ、フィット、N-WGN
2014年 グレイス、レジェンド、N-BOXスラッシュ
2015年 ジェイド、シャトル、ステップワゴン、S660、クラリティフューエルセル
2016年 NSX、フリード
2017年 シビック、N-BOX
2018年 クラリティPHEV、N-VAN

 と、ホンダと比べると全体的な日産車のモデルの古さは一目瞭然だ。登録乗用車のフルモデルチェンジのサイクルは今は5年から6年が平均的なところ。

 日産ほどの自動車メーカーがここ3年で2015年と2018年と、2回も新型車やフルモデルチェンジがなかったというのはいかがなものかとも思う。

 もちろんクルマという商品は絶対にニューモデルがいいとも限らないし、既存車の改良も大事だが、フルモデルチェンジや新型車の投入による新車効果と言われる新鮮さ、性能と内容の充実だって重要なのも事実ではないか。

 もう1つ日本で販売される日産のラインナップを見て改めて驚くのが、今の日本市場でそれなりには売れてそうなジャンルのクルマ自体がないこと。またあってもモデルがあまりに古いことが多い点だ。

 日本市場に日産が持っていないクルマとしては、具体的にはフリードやシエンタのようなコンパクトミニバン、ソリオやタンク四兄弟のようなスライドアを持つプチバン。

 またはカローラフィールダーやシャトル、レヴォーグなどがある何らかのステーションワゴンなどだ。一定数が売れているジャンルのクルマが日産にはない。

 アルファードなどに対抗するエルグランド、コンパクトSUVでは先駆車だったものの影を潜めたジューク、クラウンに対抗すべきだったフーガなど、対抗馬を用意できていないのも辛い。

【まとめ】

 「あのクラスがあればもっと売れるのに」とか、「日産好きだけど結果的に買える、欲しいクルマがない」という嘆きが頭に浮かんでしまう。

 データをまとめると、日産の日本軽視はイエスと言わざるを得ないのが結論だ。

 日本市場の縮小も事実ではあるだろう。だから「総合的な投資も含めて、クリーンナップ的なモデルに集中する」という考えは、ビジネスとしては非常に正しいとも思う。

 しかし一方では売れそうなジャンルに属するモデルがない、あってもあまりに古いのも事実。

 といったことを総合すると、「もう少し日本市場も見て欲しい」というのは日本創業の企業である日産への強い願いである。

 昔からよく言われることだが、ナンバー2の日産が頑張ってくれなければ日本のクルマはつまらなくなってしまうではないか。

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