■ポールポジションと優勝は絶対に獲りたい
2020年スーパーGTにチーム無限から参戦することになった経緯は、僕も詳しいことはわかりません。無限さんから『GT500に乗らないか』と電話がきたんです。僕のことを見てくれる人はきっとどこかにいると信じてはいましたが、電話をもらって本当に有り難かった。
SFも、代役で乗っている時も乗った後もずーーっと、乗りたい乗せて欲しいと伝えていました。昨年末、2022年のラインナップ発表後のSF鈴鹿テストを、1コーナーで他の選手たちが走っているのを見ているのはすごく辛かったです。
自分は戦えるという自覚があるのに、それを外から見ているのはめちゃくちゃ辛いし悔しい。なんとしてでも次の1年、フォーミュラに乗らない時間を作りたくない、次の1年が自分の今後の人生を大きく左右するんだ、そう思ったんです。
ただ人それぞれに考えがあるし、それを摺り合わせていくなかで合致する部分もあれば噛み合わない部分もある。その合うポイントがなかなか見つからなかった。言ってしまえば僕の力不足でもあったと思います。
それでも結果的に無限からフル参戦できることになって本当に嬉しいです。15号車のスタッフはSGTでも最初から一緒にやっているお世話になっているメンバーです。人間関係の土台の出来ている環境で、現状の課題を効率よく改善していこうという感じで、やはり代役の時とは精神的にも全然違います。
でも何が一番嬉しいといって、関係者やSF、モータースポーツを応援してくれる皆さんが、例えばネットなどで『なぜ笹原の名前がないんだ?』と声を挙げてくださったことが一番嬉しかったです。
僕が年間で乗るためにすごく頑張って下さった無限や支援パートナーの方々をふくめ、本当に誰ひとり欠けても実現が難しい話だったと思います。こんなに応援してもらえて本当に幸せだし、その皆さんの思いを乗せて走るのだから、僕にしかできない闘いを1年をかけてやっていきたい。
速さと強さで、まだ実現できていないポールポジションと優勝は絶対に獲りたい。そしてチーム・タイトルを野尻智紀さんやチームのみんなと協力して獲りたいです。
自分のことやSFそのものをもっと多くの人に知ってもらうことも大事で、どうすれば認知されるだろうと日々考えています。僕もその一人のレッドブルアスリートには、他競技、例えばジャンプの高梨沙羅さんなどいろんな人がいます。
レッドブルアスリート同士の異業種の交流をもっと増やして、そこで新しいコンテンツを生み出せれば、見ている人たちにモータースポーツに興味を持ってもらえるのではないかと思うんです。
年末に参加したレッドブルのイベントに来たお客さんたちは、ほぼレースを知らない人たちでした。でもレーシングマシンが爆音をたてて走ると『なんだこのクルマ!』『この人たち、なに?』といったダイレクトな反応があったんです。そんな経験を、各自がSNSなどでどんどん発信してもらえたらすごく嬉しいですね。
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