コロナ禍で一部グレード受注停止も、ヴェゼルが好調を持続する作り込みの秘密

■CR-V低迷の理由 新型SUVも苦戦する!?

 上級SUVのCR-Vは、ヴェゼルとは逆に販売を低迷させている。

 2021年の1カ月平均登録台数は373台だから、ヴェゼルの8%しか売られていない。確かにCR-Vは、内装の作りに不満があり、そのわりに価格は高い。

 売りにくいクルマだが、今のホンダのブランドイメージに合わない影響もある。

 そうなると今後登場するヴェゼルとCR-Vの中間に位置するSUVも、今の状態では好調に売るのは難しい。ヴェゼルの存在感が強く、ホンダのSUVは「これで充分」と思わせるからだ。

 価格も課題になる。新型SUVはミドルサイズで、プラットフォームはシビックと共通だから、e:HEV搭載車の価格はインサイトLXの335万5000円と同等だろう。

 ヴェゼルe:HEV・Zの289万8500円に比べると、約46万円高くなってしまう。

 ちなみにCR-V・e:HEV・EXの価格は392万5900円だから、インサイトLXと比べても約57万円高い。そうなるとヴェゼルe:HEV・Z、新型SUVのe:HEV、CR-Vのe:HEV・EXは、約50万円刻みで設定される。

 そこにホンダのダウンサイジングされたブランドイメージを当てはめると、CR-Vほどではないが、新型SUVも割高に受け取られる。

■ダウンサイジングしてしまったブランドイメージを戻す努力が急務

「幅広い機能を両立させた買い得車」というイメージが、現在のホンダの売れ筋の中心だろう。しかしそれはかつてのホンダのブランドイメージからすれば「ダウンサイジング」されたものという印象も否めない。「これで充分」は上級志向のモデルの販売を阻むのだ
「幅広い機能を両立させた買い得車」というイメージが、現在のホンダの売れ筋の中心だろう。しかしそれはかつてのホンダのブランドイメージからすれば「ダウンサイジング」されたものという印象も否めない。「これで充分」は上級志向のモデルの販売を阻むのだ

 この点を考慮すると、新型SUVを堅調に売るには、ヴェゼルが備えていない新しい魅力が必要だ。

 悪路向けSUVのような最低地上高と野性的な外観、ハンズフリー走行を可能にする先進の運転支援機能、ヴェゼルよりも明らかに上質な内外装などだ。

 これらを備えたうえで、価格はヴェゼルに近付けて、買い得度を強調する必要がある。

 新型SUVを堅調に売るためにも、小さくなったホンダのブランドイメージを元に戻さねばならない。

 まずは5月26日に正式発表(同月27日に発売)されるステップワゴンを確実に販売して、ブランドイメージのダウンサイジングを食い止めたい。

 その後に新型SUVを導入すれば、先代ヴェゼルからのアップサイジングなど、堅調に販売できる糸口も見つかるだろう。

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