こんなところにもロシア経済制裁の影響が!! 4年待ちのランクル納期が大幅短縮の可能性あり!?

こんなところにもロシア経済制裁の影響が!! 4年待ちのランクル納期が大幅短縮の可能性あり!?

 連日報道されている、ロシアのウクライナ侵攻。筆者も、一刻も早く平和で安全な世界が戻ることを願いながら、ウクライナ情勢を注視している。

 ロシアへの経済制裁を、世界各国が強める中で、世界はもちろん、日本国内の経済情勢にも変化が見られてきた。関係者筋によると、なんと4年から5年待ちと言われていた、ランドクルーザー300(以下ランクル)の納期が、大幅に短縮する可能性があるという。

 経済制裁の影響は、どこまで波及するのか。実際に、納期長期化に頭を悩ませる販売店を取材し、真偽を探ってきた。

文/佐々木 亘
写真/TOYOTA

【画像ギャラリー】ロシア情勢も部品供給も先行き不透明!! 依然として4年以上の納期待ちとなっているトヨタ ランドクルーザー(15枚)画像ギャラリー

■ウクライナ侵攻により、ロシア・ウクライナの現地法人は営業停止

納車まで4年から5年待つと言われているトヨタ ランドクルーザー300
納車まで4年から5年待つと言われているトヨタ ランドクルーザー300

 ランクルの世界販売台数のうち、約9割は中東やロシア、そしてオセアニア地域(メインはオーストラリア)が占める。日本向けに販売されるのは、残りの1割を案分した数だ。

 国内向けランクルの、年間販売計画は約5000台。この数字の4倍を超える受注が、現在も集まっており、単純に年間5000台ずつ販売(納車)していくとなると、今注文しても、ユーザーの手元に届くのは、4年以上経過したあとということになるのだ。

 ロシアのウクライナ侵攻が進み、世界各国が禁輸や、ロシア現地法人の営業停止などの、経済制裁を行った。

 ロシアのサンクトペテルブルクに工場を持つトヨタも、工場の操業を3月4日から停止している。さらに、ウクライナとロシアの、販売・サービスを行う約200拠点の事業を停止した。

 経済産業省は3月29日、ロシアへのぜいたく品の輸出禁止措置を発表している。クルマに関しては、600万を超えるものを禁輸としていることから、ロシアへ向けたランクルの輸出は、難しくなることが決定的だ(※トヨタは2022年3月初旬からロシアへの輸出を停止)。

 こうした背景があり、ロシア向けランクルが、日本市場に一部割り当てられる可能性があるという。一部では、年単位で納期が短縮されるという声もあるが、実際にはどれほどの影響があるのだろうか。

■ランクル販売台数は世界第4位のロシア

 世界各地域における、ランクルの販売台数を見ていこう。

 日本では2019年に2700台、2021年には2500台という販売台数だ。

 世界の中で、最も多いのは中近東地域で、2019年には9万5900台、2021年でも4万9700台を販売しており、その3分の1はU.A.Eが占めている。オセアニア地域も2020年には2万8700台を記録し、2021年は1万3700台、うち1万2700台がオーストラリアで販売された。

 ロシアは、2021年に欧州地域で販売された5800台のうち、3600台を売る巨大市場だ。欧州向けランクルの半数以上をロシアで販売し、その台数は世界で4番目に多い。

 ロシアへの禁輸と、現地法人の営業停止が決まったことで、他地域へランクルを融通する可能性が高まってきた。具体的な時期や、台数の規模は分かっていないが、もしもこうした動きが現実に起これば、超長納期となっているランクル300のデリバリーが、大きく前倒しされるのは間違いない。

トヨタがロシアへの輸出を停止したことにより、ロシア向けだったランクルが一部日本市場に割り当てられる可能性が出てきた
トヨタがロシアへの輸出を停止したことにより、ロシア向けだったランクルが一部日本市場に割り当てられる可能性が出てきた

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