■販売現場への通達は? 納期短縮可能性をどう見るか
ランクルは、レクサスLXと同じ愛知県豊田市の「吉原工場」で生産されている。吉原工場は、2022年3月、部品供給や福島県沖地震に伴う影響で、21日~25日まで稼働を停止した。4月の稼働停止予定は入っていないが、今後も、生産に対してどのような動きがあるかは読み切れない。
ロシアに対する禁輸措置については、トヨタ販売店内でも話題になっている。輸出予定だったランクルや、これから生産されるランクルの割り当てが変わり、納期が少しでも短縮することを期待しているようだ。
ただし、4月7日現在、販売店に対して、ランクルの納期が短くなるという通達は入っていないという。また、販売店とメーカー間で管理されている、受注車両の完成予定や配送予定を知らせるシステムでも、納期の大きな短縮は確認されていない。
いつまで禁輸措置が続くかは不透明な部分もあり、部品供給も安定せず生産工場の稼働停止もありうる。仮に、国内向けランクルへの割り当てが増え、納期が大幅に短縮されるとしても、大々的に納期短縮という発表を行わないのではないかと筆者は考える。
短縮できると公言したものの、大した変化が見られず、ユーザーや販売店をぬか喜びさせるのも酷だろう。
このまま4年という発表は続けながら、内部的に少しずつ納期を短縮させていく可能性はあるが、ロシア貿易が向こう10年程度出来ないという状況にでもならない限り、正式な納期目途短縮に対する発表は見送られると思う。
混沌とする世界情勢は、私たちの生活に様々な影響を与えてきた。ランクルの納期短縮に関しては、現状「可能性がある」という程度に収めたほうがよさそうだ。
手探り感の強い貿易事情に対して、トヨタが今後どのような判断を下すのか。その動向に注目していきたい。
【画像ギャラリー】ロシア情勢も部品供給も先行き不透明!! 依然として4年以上の納期待ちとなっているトヨタ ランドクルーザー(15枚)画像ギャラリー
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