【もし給油ランプが点灯したら】ガス欠直前!! 「やるべきこと」と「やっちゃいけないこと」

【もし給油ランプが点灯したら】ガス欠直前!! 「やるべきこと」と「やっちゃいけないこと」

 JAFロードサービスの出動理由でもっとも多いのは、バッテリーの過放電、つまりバッテリーあがりですが、つねに10位以内にランクインしているのが燃料切れ、つまりガス欠です。クルマにはちゃんと燃料計が付いているのに、なぜかやってしまうガス欠、このガス欠を避けるためのノウハウを紹介します。

文:諸星陽一 写真:AdobeStock、ベストカー編集部


燃料残量が分かる仕組みとは?

 今、乗っているクルマの燃料計はどのようなものでしょうか?

 昔ながらの燃料計は針が上下するタイプですが、現在の燃料計はほとんどがデジタル式で液晶の「バー」などで示されることが多くなっています。

下側の表示が、デジタル式の燃料計。オレンジ色で点灯しているマークが、燃料残量警告灯だ(写真はマツダ車のもの)

 針式にしてもバー式にしても、このタイプの燃料計しかないクルマは、燃料タンクのなかに入っているフロート(浮子)が、燃料の量によって高さを変えることによって燃料の量を計るようになっています。

 こうした方法なのでけっこうアバウトです。クルマが前後左右に傾くと表示量が変化することもあります。燃料計のほかに、燃料残量警告灯というものも装備されています。燃料残量警告灯は、燃料の量がある程度以下になると点灯する仕組みです。

 緊急を要する警告灯は赤色で点灯しますが、燃料残量警告灯はオレンジ色で点灯するものです。普段から燃料をこまめに入れるくせが付いている人は見たことがないかもしれません。

 この燃料警告灯が点灯すると燃料がなくなったと思ってパニック気味になる人がいますが、そんなに心配はいりません。なんたってオレンジ色ですから。これが赤いものだと緊急を要するのですが、オレンジ色はそんなに心配しなくていいのです。

残りが少ないことを知らせる燃料残量警告灯。オレンジ色なら、近場で給油すれば問題ないが、赤色なら早急の給油が必要となる

 燃料残量警告灯が点灯した場合、どれくらいの燃料がタンクに残っているかといえば、それはじつは車種によって異なるのです。燃費のいいクルマは残っている燃料が少ないですし、燃費の悪いクルマは残っている燃料が多いと言われています。

 燃料残量警告灯が点灯してから走行できる距離は最低でも50kmは確保されていると言われます。これは高速道路のSA、PAのガソリンスタンドが約50kmごとに設定されていることが根拠と言われていますが、なかには高速道路で、ガソリンスタンドとガソリンスタンドが100kmも離れていることもあるのでちょっと注意が必要です。

 自分のクルマが残り何リットルで燃料残量警告灯が点灯するのかは、取扱説明書に記載されています。

警告灯の変化が残量の目安となる

 この燃料残量警告灯なのですが、最初は点いたり消えたりすることが多いのです。これは加減速やコーナリング中にタンク内のフロートが動くことが原因です。なかには一度警告灯が点くとそれをキープする車種もあり、そうした車種では点灯と消灯を繰り返すことはありません。

 あくまで目安なのですが、燃料残量警告灯が点いたり消えたりしているうちはまだ安心感が高いものですが、点灯しっぱなしになるとかなり燃料は減っていることになります。自分のクルマならば、点滅しているときは何リットル残っている、完全点灯で何リットル残っている、を把握しておくといいでしょう。そうなった状態で、満タンにしてみれば答えは出ます。

 一方、燃料の残量によって航続可能距離を表示するものもあります。これは正確には燃料の残量ではありませんが、かなり正確にあと何km走れるかを把握できます。それまでの走行状態を参考に、燃料の残量から予測するものです。

 燃料タンクのフロート情報だけでなく、燃料がどれくらい噴射されたかを累積しているので、その正確さはかなり高いものと言えます。ただ、この方式でもマージンが取ってあって、走行可能距離がゼロになっても、まだしばらくは走れます。

もしも燃料残量警告灯が点灯したからといって必ずしも慌てる必要はない。状況に合わせて、給油を行おう。

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