【マーチ、アコード…】なぜこうなった!? 混迷のモデルチェンジ車たち

「アコード神話」崩壊させた現行型

■ホンダ アコード(現行型、2013年-)

2013年発売当初設定されていたアコードプラグインハイブリッド。現行型は先進的なメカニズムを誇るが、6代目が現役だった1999年時点の3万9026台に対し、2017年は3248台と販売は10分の1以下に減少している

シビックとともにホンダの屋台骨を支えてきたのがアコードである。

初代は1976年に登場し、日本だけでなく北米でも高く評価された。これ以降、北米で絶大な人気を獲得し、モデルチェンジするたびに販売台数を伸ばしている。

月に3万台を超える販売をコンスタントに記録するようになり、アメリカの景色に溶け込んだ。その反面、日本では販売が下降線をたどるようになる。

現行型アコードは2013年に登場。この9代目はハイブリッド専用車で、ボディサイズもクラウンより大きい。

2Lの直列4気筒i-VTECエンジンに走行用と発電用、2つのモーターを組み合わせたハイブリッド「i-MMD」は、気持ちいい加速と卓越した静粛性、優れた燃費を実現している。キャビンは広く、後席でも快適だ。適度にスポーティな大人の走りも魅力的だった。

が、もはやアコードといえないほどボディは大柄だし、価格も400万円を超える。

また、12月にプラグインハイブリッド車を加えているが、こちらは500万円をはるかに超えるから手を出せるのは法人だけ……そう思っていたら、すぐに個人ユーザーは買えなくなった。

ハイブリッド車はいい仕上がりだ。駆動電池がたくさんあれば、EVとして使うことができる。いい車なのだが、デザイン、ボディサイズなどは日本の道路環境では受け入れ辛いものだった。

だから販売台数は月に100台レベルにとどまったし、長年にわたって築いてきたアコードのイメージもぶち壊している。

軸足を北米に置いたこともあり、今のアコードは、日本人が知るアコードではなくなった。ちょっとしたボタンの掛け違いが、アコード神話を崩壊させたのである。

これはシビックにも言えることだ。ホンダの二大看板が、本拠地である日本では人々に認知されなくなってきた。ホンダにとっては大ピンチだと思う。

軽で見せたダイハツの底力感じられず

■トヨタ パッソ/ダイハツ ブーン(2016年-)

初代はブーンX4など、パフォーマンス系のモデルもあったが、現行型は最新の軽自動車と比べても優れた点が探しにくい。軽でムーヴなどを生み出せるダイハツだからこそ、より進化したモデルを期待したいところだ

日本だけでなく海外でも「Aセグメント」と呼ばれるスモールカーの人気は高い。

トヨタのパッソとダイハツのブーンは、そのど真ん中に送り出したモデル。両車は双子車で、軽自動車とちょっと大きい登録車だ。

誕生は2004年で、パッソはヴィッツの下のゾーンを受け持つエントリーカーだった。軽自動車を卒業し、ステップアップしてきたユーザーの受け皿になる。コンセプトはトヨタが立て、ダイハツが開発と生産を行った。

2010年に登場した2代目もトヨタとダイハツの共同開発車だ。ボディサイズをあまり大きくしなかったから取り回し性に優れている。環境性能と安全性能も高めたから女性層だけでなく年配のユーザーを取り込むことに成功した。

これに続く3代目は2016年春にベールを脱いだ。デザインは2代目と似ているが、ホイールベースを延ばし、キャビンスペースを広げている。この3代目は企画から開発、生産までダイハツが担当した。

が、プラットフォームは初代から受け継いだものだし、カワイイ系のキャラで勝負する手法も同じだ。エンジンは1Lの直列3気筒で、これも改良版だが、ドライバビリティは向上した。

日常の取り回し性に優れ、接地フィールや乗り心地もよくなっている。先進安全装備も充実させた。が、走りの性能はライバルを大きく引き離すものではないし、安全装備も軽自動車と大差ない。

この1年の間にパッソは年間5万台、ブーンが7500台ほど売れている。だが、かつては月に5桁を販売していただけに物足りなさを感じないわけにはいかない。

ハイブリッド車がないのに健闘しているともいえるが、軽自動車で見せたようなダイハツの底力が見られないのは残念なことだ。

ダイハツはEVでもハイブリッドの技術でも高いものを持っている。強敵がいないからと呑気に構えていると欧州勢に置いていかれるだろう。次の一手に期待したい。

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