こんなはずじゃなかった!? どんなつもりだったの!? 浸透しない名前 鎮魂歌

■クルマ界 いつのまにか消えたネーミング 

 クルマの世界では技術の進歩も、流行の移り変わりも早い。

 ココではその過程で、惜しくも主流から外れていってしまったものを紹介する。懐かしさにハンカチを噛み締めつつお読みいただきたい。

■G-BOOK

 トヨタが提供するテレマティクスサービスで2002年、WiLLサイファに標準搭載された。現在もサービスは継続されているが、登場から15年が経過し、さらに2014年に新たなテレマティクスサービス「Tコネクト」がスタートしたことで、存在感は希薄に。

対応・サービスは継続しているので、既存ユーザーは心配いらない、はず

■鬼キャン

 車両正面や真後ろから見て、タイヤがハの字状に見えるほど極端なネガティブキャンバーを付けた状態のこと。元はグループAの32型スカイラインGT-Rを真似たものとされているが、直進安定性は悪く、タイヤも偏摩耗するなどロクなことがない。

■ターボラグ

 完全消滅とはいえないが、最近のターボ車では再加速までの遅延時間は、だいぶ解消されつつある。

■ザウバーディッシュホイール

 VIPカーにはけっこう人気でしたな。

■サイドターン

 サイドブレーキを引くことで後輪をロックさせ、意図的にリアを滑らすテクニック。だがシビックタイプRですら電子制御式パーキングブレーキとなった今、チト時代遅れ感が漂うのも事実。

もちろん競技シーンでは重要なテクニック。だがそれ以外では使いようもない

■なかなか浸透しないネーミング【スポーツその他編】

■リレーション(ゲートボール)

〈呼称の由来〉

 本来5人対5人で競うゲートボールを、フットサルやビーチバレーのように新しいスタイルで楽しんでもらえるよう、2人対2人、3人対3人で楽しむものを「リレーション‐2」、「リレーション‐3」と呼ぶようにと、日本ゲートボール連合が決定した。

〈編集部コメント〉

 若々しい呼称になった。実際やってみるとなかなか熱くなれる、れっきとした「スポーツ」だったりする。そして実は日本発祥のスポーツで、世界選手権も開かれている。第1回は1986年だ。

■母さん助けて詐欺(オレオレ詐欺・振り込め詐欺)

〈呼称の由来〉

 2004年11月までは「オレオレ詐欺」。手口の多様化で実態にそぐわなくなり、同年12月に「振り込め詐欺」となったが、ATMによる振込限度額の引き下げを受け、振り込ませる詐欺が減少。公募により2013年5月に「母さん助けて詐欺」となった。

〈編集部コメント〉

 惜しくも採用されなかった「ニセ電話詐欺」のほうがわかりやすい気が。

■レイブル(ニート)

〈呼称の由来〉

「遅咲き」、「大器晩成」を意味する「レイトブルーマー」の略で、就労意欲がありながら職に就けない若者を指す言葉として、2011年から大阪府が提唱。「ニート」では負のイメージが強く、採用側が二の足を踏むという実態への対処だそうだ。

〈編集部コメント〉

 欧米では若者を応援する言葉だとか。そういう意味では大いに浸透してほしい。

■アーティスティック スイミング(シンクロナイズド・スイミング)

〈呼称の由来〉

 2917年7月22日、国際水泳連盟がブダペストで総会を開き、シンクロナイズド・スイミングから名称を変更「した」。競技内容をイメージしやすい名称に変えることで、種目の人気を高めるのが狙いだ、という。

〈編集部コメント〉

 「同時性に限らず表現力や演技の構成を競うのだから、『アーティスティック(=芸術性)』がふさわしい」とは国際水泳連盟の弁。ロシアのポクロフスカヤ・ヘッドコーチは「え〜、元のままでいいよ〜」とコメントしたそうだ。いいぞ、ポクロフスカヤ!

*   *   *

 というわけで、サポカーをスタート地点に。なかなか浸透しないネーミングを見てきた。「名前は燃える生命」と1970年代後半から1980年代前半に活躍したグループも歌っていた。呼称、大事にしたいよね。


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