今回、取材したのはタトゥーデザイナーのちゅいさん。近年、美術大学を卒業したばかりのバリバリのZ世代だ。そんな、20代のちゅいさんが購入したのは7代目セリカのT230初期型。しかし、いったいなぜ数ある中古車の中から、セリカを選んだのか?若者のクルマ選びの今を取材してきた。
文・写真:成田颯一/イラスト:ちゅい
【画像ギャラリー】タトゥーデザイナーのちゅいさんが購入した7代目セリカのT230初期型を画像でチェック(11枚)画像ギャラリーきっかけは友人、しかし乗りたいのはやっぱりトヨタ車
クルマ好きな友人に乗せてもらったりするうちに、マイカーが欲しくなったちゅいさん。そして、いつしか「クーペから自分が降りてくる姿を想像したらかっこいいのでは?」と思い、ウキウキしながら昨年の6月にセリカの購入を決めたそうだ。
「家のクルマがずっとトヨタ車だったということもって、トヨタへは安全、安心なイメージがありました」。ここはさすが国内シェアNO.1のトヨタと思うところ。21世紀のトヨタ車で、クーペが欲しい・・・トヨタのクーペというと車種が非常に限られてくる。
しかし、86やスープラは少し「ガチ」な感じがしてしまう。といった中でセリカが候補に上がった。オプションのサンルーフが付いていた点も大きなポイントとなったそうだ。
すでに7代目の生産終了から15年が過ぎたセリカだが、たしかに最近の86やスープラなどといった、スポーツタイプの印象が強いクーペのラインナップと比べると、ドライブや街乗りがメインの女性にはぴったりな1台だと感じる。
現代の安全装備がないが運転する楽しみがあるクルマ
一方、それまで実家のC-HRを運転していたため、現代の安全装備の揃ったC-HRと2000年代以前に製造されたセリカとの大きな差に、慣れるまでは戸惑うこともあった様子。C-HRは「トヨタセーフティセンス」がグレードに関係なく標準装備となっている。
この装備には、歩行者や衝突の危険を感知するプリクラッシュセーフティやレーンデパーチャーアラート、レーダークルーズコントロールなどが含まれているが、1999年生まれのセリカに当然そんなものはない。C-HRとの車幅感覚の違いなどから、慣れるまでは夜間の車庫入れでコンクリート塀に擦ってしまったりしたこともあったそうだ。
また、乗る回数が増えたことで、夜間の自転車や歩行者に危険を感じることが増えた。そんな経験もあって、セリカのサイドミラー下に、左右の死角からの車両の接近を確認できるサイドカメラを後付けしている。
「クルーズコントロールとかは便利な技術であるけど、技術に頼らないである程度は自分で運転できるようでいたい」と語るちゅいさん。セリカを手にしてからは遠くへ出かける機会が増え、これまでの半年でおよそ1万キロを走行したとのこと。
やはり気になる維持費用はいったい…
そして、やはり気になるのがクルマの維持費用だ。当初思っていたよりも乗る機会が増えたことで走行距離も増加。何度か契約を変更し、自動車保険にかかるお金が結構増えたようだ。他には、擦ったりぶつけた箇所の板金代やはり痛手だそうだ。
苦労している点や困った点について聞いてみると、なんとリアシートの雨漏りに悩まされたとのこと。調べていくと、どうやらこの型のセリカにとってあるあるな症状だったらしく、ネット上でも同じ症例の体験談が数多く見られる。
特に、同じようなリアシートの雨漏りは、第7世代のセリカの前期型に多く見られる症状だそうだ。こうした持病のようなトラブルは、時として購入代金以上の莫大な修理代がかかってしまうことがあるかもしれないので、中古車を買う際には事前によく調べておくことをお勧めする。
ちなみに、サンルーフ付きの車両を選んだのだが、実はこの電動サンルーフは故障中。訳ありということもあって、少しお安くしていただいたようだ。やはり、現車確認は大切だ。
セリカユーザーならではの意外な悩みとは?
また、セリカユーザーで意外と悩ましいのがスマホホルダーの取り付けとのこと。カー用品店やネットでは、エアコンの吹き出し口にクリップで付けるタイプややダッシュボードに吸盤で取り付けるタイプなど、さまざまな種類の商品が出回っているが、それらのほとんどは現行車を元に設計されているため、少し古い中古車を買うと設置場所に悩まされたりする。
特にセリカの場合は、フロントガラスやダッシュボードに設置しようものなら、かなり視界の邪魔になったしまう。
エアコンの吹き出し口に取り付けようとするものの、この年代のクルマによく見られる少し奥まったところに吹き出し口のあるデザインは、上下のクリアランスが無くて取り付けることが難しい。ちゅいさんのセリカでは、たまたまラジオの下に小さな収納スペースがあったため、それを利用してスマホホルダーを取り付けたそうだ。
いろいろな費用や修理などによる手間もあるかもしれないが、自分のクルマを手にすることで楽しみが増えたちゅいさん。セリカと出会ってまだ1年も経っていないにもかかわらず、すでにたくさんの思い出ができているようだ。これから先もきっとウキウキするようなカーライフが待っているに違いない。
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