長距離運転でも同乗者に変わってもらえない
友人たちと長距離旅行やドライブへ行った帰りなど、MT車を運転できる免許証を持っていても、「MT車の運転をしたくない(自信がない)」と、ドライバー交代を拒絶されることがある。そうなると、どんなに疲れていても、自ら運転しないとならない。
同乗者に申し訳ない
どんなにMT車の操縦が上手いドライバーでも、ギアチェンジのショックを消しきることはできない。1速から2速へギアチェンジする際には、ひと呼吸おいてからシフトアップするのだが、加速Gは必ず段がつくので、助手席や後席の乗員の頭部が前後へと揺れてしまう。
同乗者に「気にならないよ」といわれていても、シフトアップやシフトダウンのたびに、頭部が前後に揺れるので、何度も繰り返すうち、申し訳なくなってくる。
左手が忙しいので、ペットボトルのフタすら開けられない
AT車であれば、信号待ちでペットボトルのふたを開けてドリンクを飲むことは難なくできる。前走車が動きはじめても、ブレーキをリリースしたあと、ハンドルを握ればいいので、余裕をもって追従できる。だが、MT車はそうはいかない。片手はハンドルを持ち、もう片手はシフトノブを持つので、両手が忙しい。
運転中に余計なことができないので「安全」ではあるのだが、両手が忙しいので、ドリンクすら飲む余裕がないことがあるのは、すこし辛い。
どんなに苦労しても、また乗りたくなるのがMT車
上記以外にも、MT車で困ることはいくつかある。先日宿泊したホテルの駐車場では、「スタッフが入出庫を行うため、MT車は不可」と記載されていた。もはや「特殊車両」扱いだ。
かつては省燃費の面や雪道発進のとき、また機械部品点数の少なさからくる故障可能性の小ささなど、MT車のほうがAT車よりも優れていた部分がいくつかあったが、近年の技術進化や別方向の需要(先進安全技術とのマッチング)により、MT車の技術的なアドバンテージはほとんどなくなってしまった。しかし、それでもMTにはMTにしかない魅力がある。はず。たぶん。
しかし、操縦の楽しみは格別。だから、どんなに苦労した後でも、またMT車に乗りたくなる。本稿を読んで、「こんなに不便なのになぜ乗りたくなるのか」と興味をもっていただけたら、嬉しい。
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