「破天荒」なノブコブ吉村が買ったスーパーカー、マクラーレン720Sスパイダーの魅力とは!?

■吉村さんの購入した720Sスパイダーはマクラーレンの基幹モデルだ

インパネ周りは思いのほかシンプル。ドライバーが運転に集中できるレイアウトとなっている
インパネ周りは思いのほかシンプル。ドライバーが運転に集中できるレイアウトとなっている

 マクラーレンの場合、車名の3桁数字はそのまま馬力を表す。つまり、スーパーシリーズに積まれるエンジンの最高出力は720hpもしくは765hpで、いずれも4LV8ツインターボだ。それに7速のデュアルクラッチトランスミッションを組み合わせてドライバーの背後に置き、後輪のみを駆動する。

 高出力を効果的に運動性能へと変換するための最も重要なパートが、フォーミュラ1で培ったカーボンファイバー強化樹脂(CFRP)製モノコックボディだ。第二世代のスーパーシリーズでは、アルティメイトシリーズのP1で初採用されたモノゲージIIと呼ばれるCFRPバスタブ構造を進化させて搭載する。

 ルーフ骨格やエンジンルーム上部までをCFRPとする技術だったが、スパイダー化に伴ってモノゲージII-Sへと進化、ルーフを取り払ってもなおロードカーとしては充分な強度を確保するに至った。

 ちなみにリトラクタブルハードルーフのパネル素材もまたカーボンファイバー。軽量かつモーター駆動ゆえ、クラス最速の11秒で開閉し、走行中でも時速50km以下であれば操作可能だ。また、スパイダー化にあたっての重量増はわずか50km/hに抑えられている。その意味するところは明白。つまり、そのパフォーマンスはクーペとほぼ同等というわけ。

■スパイダーといえどもクーペモデルと性能は同等。かつリアのエンジン音を直に楽しめる

写真はルーフを開けた状態だが、ルーフを閉じた状態でリアウィンドウスクリーンのみを開けることも可能。V8、4Lの野太いサウンドを直に楽しむ贅沢さを味わえるのもスパイダーの愉しみだ
写真はルーフを開けた状態だが、ルーフを閉じた状態でリアウィンドウスクリーンのみを開けることも可能。V8、4Lの野太いサウンドを直に楽しむ贅沢さを味わえるのもスパイダーの愉しみだ

 そのことは性能スペックにも現れている。0→100km/h加速は2.9秒でクーペと同じ、0→200km/h加速こそわずかに遅れて7.9秒、といっても+0.1秒だ。そして最高速はというとルーフを閉じた状態ならまったく同じ341km/hである(オープン時は325km/h)。

 こうなると、本体価格の差が300万円以上あってもスパイダーを選んだほうがよさそう。つまり吉村さん、大正解。

 乗ってみればそう断言するわけにも納得できるはず。ルーフクローズドで走れば、クーペかスパイダーかなどよほど繊細なプロドライバーでなければわからない。それでいてリアウィンドウだけ開閉することも可能で、クーペ状態のまま短いエグゾーストパイプの奏でるたくましいV8サウンドをダイレクトに楽しむことだってできる。

 ターボエンジンによる圧倒的な加速性能ときめ細やかに制御されたアクティブシャシーによるハンドリングは、今もってクラス最高レベル。サーキットへと繰り出し、シャシーとパワートレーンのモードをトラックに合わせたならば、たちまちハンドリングの正確さは凄まじいレベルへ。轟音を伴った加速と沈み込む制動フィールもまた愉悦の至りで……。

 そんなスーパーパフォーマンスを秘めたうえで、快適なオープンエアモータリングを楽しめるという点がスパイダーの嬉しいところ。スタンダードモードではまるでミッドサイズの高級スポーツセダンのような乗り心地を実現した。

 マクラーレン720Sスパイダーは、街中からカンツリーロード、高速道路、そしてサーキットまで、技量に応じて広範囲に楽しむことができるオールマイティなスーパーカー、というわけでした。

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