■積極的にチューニングの相談に乗るディーラーもあるぞ
販社によって対応は様々だが、最近では社外パーツをショールーム内に展示し、自社工場内でチューニング(カスタマイズ)を行うディーラーも増えてきた。
こうした動きに明るいのは、なんといってもトヨタである。各地に「GRガレージ」を整備し、チューニングも含めたクルマの楽しさを広げている。
また、チューニングカーの祭典、東京オートサロン2022に出展するトヨタディーラーもあるのだ。
ネッツトヨタ兵庫株式会社では、ヤリス用のオリジナルエアロとサスペンションを開発し、販売している。もちろん同社の各販売店で取り付け可能だ。GRガレージ神戸垂水では、約350ものブランドと連携し、カスタムの相談にも乗ってくれるという。
また、宮城トヨタグループ(通称MTG)も、オートサロン常連のディーラーだ。2022年にはヤリスクロスとランクル300を出展、過去には地元新聞社が保有していた不動車のFJ28VAランドクルーザーをフルレストアし、綺麗な動く状態にして展示していたこともある。
MTGは、イベント活動にも積極的で、スポーツランドSUGOを貸し切りにし、サーキット試乗会やドリフト同乗体験などが楽しめる「MTGモーターフェスティバル」を定期的に開催。ランクルなどの市販車で、本格的なオフロードコースを走行できる、「MTG四駆祭り」も人気だ。
MTGでは、社員の保有するマイカー(通勤用)に対しても、保安基準内であれば、社外パーツの装着を認め、カスタマイズに対して間口を広げている。実際にルールの範囲内で正しいカスタマイズの形を社員が知ることで、ユーザーに対しても正しく適切な提案が行えるのだろう。こうしたディーラーの姿からは、本当の意味でのクルマのスペシャリストを生み出そうという強い意志が感じられる。
カスタマイズを寛容に受け入れるディーラーからは、「ディーラー側の知識」が大事だという声が多く挙がった。指定整備工場だからこそ、法令・法規を十分に理解し、クリーンなカスタマイズを勧め、広める必要があるのだ。
大切なのはグレーゾーンをつくらないこと。どこで、誰が見ても法規順守と言われるカスタマイズが、チューニングカーの間口を広げることにもつながっていく。
チューニングやカスタマイズは悪ではない。正しいルールの中で楽しめば、立派なホビーである。単なる移動手段ではないクルマの新たな魅力を、多くのユーザーが感じられるように、ディーラーがチューニングに対して明るい存在であって欲しい。
【画像ギャラリー】ディーラーでチューニングはできる?合法パーツもアウトな場合はなぜおこる?(4枚)画像ギャラリー
コメント
コメントの使い方