■アルファードへの評価を支える他社ユーザーと法人需要
乗り換えの動きを見ていると、他社と自社では動きが大きく違う。他社モノ(つまりトヨタ以外のメーカー)を下取りに入れるユーザーの多くは、アルファードを指名買いするという。狙いはアルファードただひとつ、ほかのトヨタラインナップには見向きもしない。
逆に、自社もの(トヨタ車)が下取りに入る買い替えのケースでは、「最終的にはアルファードに決まりました」という受け皿としての役目が多いという。
初めは新型車(ノア/ヴォクシーやランクル、カローラクロスなど)で、買い替えの商談がスタートするが、値段、性能、使い勝手などのニーズを深掘りしていくと、当初想定していた車種は争点から外れ、アルファードの話になっていることが多いと、営業マンは口を揃える。
実際のところ、自社内の買い替えニーズに対して、困った時にはアルファードを薦める営業マンが多いという。とりあえず柔軟にニーズを受け止め、ココに乗っておけば間違いないというクルマがアルファードだというのだ。
こうしたトヨタ販売店内でのおススメも、アルファードの好調な販売台数を支えていることだろう。
ここに、安定して買い替えサイクルが回ってくる法人や官公庁の需要が上積みされる。販売台数全体における、大きな割合は個人需要であるが、法人需要が一定数あるクルマは、販売台数が安定するのだ。
法人ではリース契約や減価償却がほぼ終わるタイミングで、買い替えが発生する。3年なら3年、5年なら5年という決まったサイクルで売れていくため、販売台数に波が出にくくなるのだ。安定して売れているということが、販売ランキングなどで個人ユーザーに伝わる。こうした情報も人気を支える一端となるだろう。
モデルライフは長く、設計の古さを感じる部分もあるが、各所で平均点以上の能力を発揮し、選ばれる存在であるアルファード。
これは一過性のバブルではなく、販売戦略も含めた実力と言わざるを得ない。かつてのカローラ、プリウスのように、アルファードが国民車と呼ばれるようになる日は、すぐそこまで来ているだろう。
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