ヌォッ、お、お尻が!  バス運転手は「痔」になりやすい? 乗務してわかったバス運転手の意外な職業病と対策

■長時間の座り仕事だけに肩と腰にきます……

 路線バスの運転は座り仕事。オフィスでデスクワークしている時と同じ姿勢です。つまり、肩にきます。

 若輩者の私はよく職場で先輩から肩揉みを頼まれますが、「パッドでも入れているんですか?」と思うほど肩がパッキンパッキンの先輩が多いのは本当の話。肩こりは他の部位にも影響を与えるようで、私の場合は頭痛も併発します。

 そして肩こりと同じく悩みの種なのが腰痛。原因はペダル操作にあると考えています。特にMT車では右足と同じくらい左足も動かすので、腰への負担も相当です。

 原因のひとつがシートにあります。運転席のシートにはある程度のクッション性がありますが、乗用車のような人間工学的なハイテク設計が取り入れられておらず、ホールド性などの機能は皆無。

 そのためカーブを走行するたびに無意識に力が入ります。しかも、原因はシートだけではなく、バス運転手である私自身にもありました。

■上半身を真っ直ぐ、背もたれに密着、これで解決!

無意識に運転手は前屈みになりがちです。これが肩こりの原因だと考えています(Swiss-Discovery@Adobe Stock)
無意識に運転手は前屈みになりがちです。これが肩こりの原因だと考えています(Swiss-Discovery@Adobe Stock)

 実は私、大変な猫背でした。猫背ということは頭が垂れ下がっている状態。それにバスの上下運動などが加わり、知らず知らずのうちに慢性的な肩こりを引き起こしていたのです。これが職業病の原因です。

 まわりの運転手も肩こりに悩む人は猫背です。解決方法は、ズバリ胸を張ること。私は普段から胸をピーンと張るようにしました。

 最初のうちは大変な負担で、ひどい筋肉痛になります。しかし、1ヶ月もすれば筋肉がつき始め、姿勢が自然に矯正されます。すると肩への負担が減り、肩こりもなくなりました。

 腰痛は肩こりよりも簡単。椅子の座面と背面の折れ目にお尻を完全密着させれば良いのです。お尻を密着させれば、力を余すことなくペダルに伝えられます。本当に軽くペダルを踏めるようになるので、ぜひ試してみてください。

 このようにバス運転手の職業病である肩こりと腰痛は、身体の使い方ひとつで必ず防げますし、治すこともできます。

 ただ、シートはモノなので直すことはできません。バスメーカーのみなさんに、肩こりや腰痛などを防げるシートの開発と導入をお願いしたいですね。バスの価格が数千万円するのに対し、疲れにくいと言われるレカロのセミバケットタイプで20万円ほど。

 長距離トラックなどには豪華なエアシートが付いていますし、バス全体から見れば決して高いコストではありませんから……。

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