ガソリン高の今、マツダCX-60登場で再び陽の目を見そうな「クリーンディーゼル」という選択はあり? なし?

■軽油はガソリンより20円安いのが効く! 高速メインならクリーンディーゼル有利

CX-60にはマイルドハイブリッドモデルとマイルドハイブリッドなしというふたつのクリーンディーゼルエンジンが設定される
CX-60にはマイルドハイブリッドモデルとマイルドハイブリッドなしというふたつのクリーンディーゼルエンジンが設定される

 ふたつめのチョイスがクリーンディーゼルとなる。ここにきてあまり話題にならなくなってしまったけれど、ハイブリッドのアンチテージと言える。CX-60の場合、マイルドハイブリッドなしのディーゼルは燃費でハリアーなどのハイブリッドにこそ届かないものの、14km/Lくらい走ってくれます。燃費だけ考えたらハイブリッドに届かない。けれど、軽油はガソリンより20円も安い!

 1万km走った時の燃料コストは10万7000円。ハイブリッドとの差はなし! もう少し深く突っ込むと、走行条件によってはハイブリッドより安く付く。ディーゼルが得意としているのは、比較的走行速度の高い領域だ。

 新東名や東北道の制限120km/h区間を流れに乗って走るようなケースだと、絶対的な燃費でかぎりなくハイブリッドに迫る。こうなれば20円安い分のメリットが出てくる。

 逆に街中の渋滞ばかり走るような使い方だと、ディーゼルのメリットはなし。そればかりか、弱点すら出てくる。ご存じのとおり、ディーゼルの排気ガスのなかにPMという物質が含まれており(わかりやすく書くとスス)、チョイ乗りやアクセル開度の低い状態で乗るとこいつをため込んでしまう。多くの人はディーゼルエンジンの弱点として認識しており、忌避の理由にしている傾向にあるようだ。

■アイドリングストップは使わないことを推奨

クリーンディーゼルに乗る場合、アイドリングストップは使わないほうがいいということを筆者は指摘している
クリーンディーゼルに乗る場合、アイドリングストップは使わないほうがいいということを筆者は指摘している

 実際、ユーチューブなどの動画では、マツダのスス落とし作業が山ほど出てくる。見るとあまりの酷さに購入意欲が薄れちゃう。ただ、ディーゼル本来の乗り方をすれば、ススの付着は気にしなくてよいレベルだと私は考えます。

 クルマ好きならアクセルを踏む。エンジンに負荷をかけることでススの付着を相当防ぐことができるのだった。アクセル開度の大きい領域で使うことの多い欧州車だと、ほとんど問題にならない。

 考えていただきたい。病院に行けばたくさんの病人がいる。でも、街中だと病気になっている人の確率は低い。ディーゼルのスス問題も同じ。乗り方次第で必ず溜まると思う。

 そういう使い方をする人からすれば、ディーゼルは間違った選択だということ。私たちメディアに責任があるとすれば、過去データがないためこの点をしっかり認識できておらず、普通のエンジンとして紹介したことにある。

 もうひとつ付け加えるならアイドリングストップも使わないほうがいい。始動時にススも出やすくなるし、ディーゼルはアイドル燃費はいい。短い停止ながら止めなくたって大差なし。

 それでいて停止頻度が多いとバッテリーに負担をかけてしまい、2~3年で交換を余儀なくされる。ディーゼルのアイドルストップ用バッテリー、節約できる燃料代より基本的に高価だし。

■20分以下のチョイ乗りしない人、元気よく走りたい人にはディーゼルがお薦め!

こちらはCX-5に搭載される2.2Lのクリーンディーゼル、SKYACTIV-D
こちらはCX-5に搭載される2.2Lのクリーンディーゼル、SKYACTIV-D

 ということでこれからディーゼルを考えている人には明確な指針を出しておきたい。まず1回の乗車時間。基本的に20分以下なら止めておくこと。そして走り方。ノンビリ走るならハイブリッドのほうが燃費いいし、ディーゼルの素晴らしさを味わえない。これまた止めておくこと。

 逆に1度乗れば20分以上走り、クルマを元気よく走らせる人なら最高の相棒になってくれることだろう。

 かくいう私もボルボXC60 D4という2L190psのディーゼル車に乗っているけれど、すべての点で大満足している。何より追い越し加速の気持ちよさときたら、ハイブリッドなど相手にしない。CX-60の3.3Lターボディーゼルも低い回転域からもりもりとトルクが湧き出す! そして直列6気筒というバランスのよさをしっかり感じる。滑らかです!

 ディーゼル搭載のCX-60の不安点を挙げるならぜひとも試乗し、マイルドハイブリッド仕様の追い越し加速と、変速ショックをチェックしていただきたい。60km/hくらいでハーフスロットルだとエンジン停止状態。私が試乗した先行試作車は、そこからの追い越しはフル加速体勢になるまでに2秒近くかかってしまった。アクセルのオンオフをすると、変速ショックや断続ショックも気になる状態。

 現時点では量産モデルの確認が出ていないため、自分で確認して欲しい。

【画像ギャラリー】マツダ期待の直6ラージFRモデル第1弾、CX-60登場でクリーンディーゼルは再び脚光を浴びるのか?(15枚)画像ギャラリー

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