■危ない運転行動その2:近すぎる車間距離
近すぎる車間距離は、車間を必要以上に詰めて走行することで、あおり運転の典型例とも言える危険な運転行為です。
車間距離が近すぎることによる危険は、追突するリスクが高くなることにあります。車間距離を詰めて走行し、何らかの事情により追突を避けようとした場合、急ブレーキや急ハンドルなどの急操作をしなければなりません。
急操作をすると自分自身が危険にさらされるだけでなく、ほかのクルマやバイクなどを巻き込んだ多重事故に発展する危険性もあります。そのため、車間距離を詰めすぎて走行するのは危険なのです。
車間距離について法律では、前の車両が急停止しても追突しない距離を保つよう定められています。言い換えると、停止距離(空走距離+制動距離)以上の車間距離を空ける必要があるのです。
筆者が実際に運転指導やペーパードライバー講習をしていると、「車間距離って、どのくらい空けておけばいいですか?」という質問をよくされます。その時に筆者は、「自分自身が安全だと思う間隔を空けてください。詰めすぎると違反ですが、空きすぎている分には、違反ではありません。
交通の流れを乱さず、少し車間距離を空けすぎてるかもしれないと思う間隔がちょうどいいでしょう」と答えています。
車間距離は、詰めすぎると「車間距離不保持」という違反です。また、あおり運転(妨害運転)の対象となる10類型の違反のひとつとなっています。
車間距離を長めにとっておけば、前車が急ブレーキをかけたり、前方の危険の発見が少し遅れたりしても、急操作で回避する必要がなくなります。そのため、「少し間隔を空けすぎているかもしれない」と感じるくらいの車間距離がちょうどよいでしょう。
■危ない運転行動その3:周囲にクルマやバイクなどがいるのにハイビームのまま走り続ける
カーシェアやレンタカー、カーリースなど、さまざまな方法でクルマに乗ることができるようになった現代では、ハイビームのまま走り続けているクルマを目にすることが増えました。
また、オートライトが義務化されたり、オートハイビーム機能を装備しているクルマがあったりするものの、いまだにハイビームで走り続けるドライバーを目にします。
ハイビームにしているクルマのドライバーは、見える範囲が広くなるため運転がしやすくなります。しかし、対向車やハイビームのクルマの前にいる車両の運転者は、非常に眩しいです。
眩しい状態を受け続けると前方の交通状況の認識が遅れたり、何らかのトラブルが起きた時に急操作を強いられたり、事故になったりすることがあります。
また、周囲にクルマやバイクなどがいるのにもかかわらず、ハイビームで走り続けるのは「減光等義務違反」です。さらに、あおり運転(妨害運転)の対象となる10類型の違反のひとつとなっています。
教習所の学科教習で「原則として走行用のヘッドライトがハイビーム、すれ違いをする時にヘッドライトをロービームにする」と教えられたことを覚えている方も多いでしょう。確かに、法律の条文をわかりやすく言い換えると、教習所で教えていることと同意になります。
しかし、実際の道路では、対向車や先行車などが多い市街地を走行する場面も少なくありません。人によっては、市街地やクルマ、バイクが多い場面でしか走らないという方もいるでしょう。
そのため、ロービームがメインとなり、必要に応じてハイビームを活用するという使い方になってしまうのはしかたないことなのです。
ハイビームで走り続けると、自分にとって好都合なことが多いものの、周囲のクルマやバイクなどは非常に眩しく、運転の妨げになります。運転中は、メーター内のハイビームのマークが点灯し続けていないか(オートハイビーム機能のクルマを除く)、時々確認しながら走行するようにしましょう。
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