「新型車登場!!」いつまで使える? テレビCMや雑誌、Web広告で使える期限とルール

「新型車登場!!」いつまで使える? テレビCMや雑誌、Web広告で使える期限とルール

 テレビCMやWebブラウズ中に「新型車登場!!」という広告を見かけて、「あれ、このクルマ、もう新型になったの?」と思って調べてみたら、新車発表はけっこう前だった…という経験はないだろうか。「新型車」というフレーズはいつまで使ってよいのか? ちゃんとルールがあります。以下、(一部、弊業界の懺悔とともに)紹介します。

文/ベストカーWeb編集部、写真/ホンダ、ベストカー編集部

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■「発表後12カ月とする」と「(次期型)発表前6カ月間は使用しないものとする」

 いつまで「新型車」、「新発売」表記をCM(広告表記や販売時の表記全般)で使ってよいか、というルールは、「自動車公正競争規約」にて「発表から12カ月(1年間)」と定められている。「自動車公正競争規約」とは、消費者に安心してクルマを購入してもらえるよう業界が自主的に設定した表示と景品提供(展示車の価格表記など)に関するルール。

 該当する条文は以下のとおり。

【第4条】
事業者は、新車の表示に関し、次の各号に掲げる用語について表示する場合は、それぞれ当該各号の定める基準に従い、施行規則で定めるところによるものとする。
【(4)「新発売」等の用語】
「新発売」、「新型登場」等の商品が新しくなったことを意味する用語を新聞、雑誌、テレビ、ラジオ及びインターネット等を用いて表示する場合は、施行規則で定めるところにより表示すること。
【新車に関する施行規則/第16条】
規約第4条第4号の「新発売」「新型登場」等の用語を使用できる期間は、新型車発表後12か月とする。ただし、モデルチェンジ、マイナーチェンジ等新型車の発表が予定される以前の6か月間は使用しないものとする。

■「自動車公正競争規約」全文

 つまり、テレビCMやWeb広告で「新型車登場」や「ALL New」と謳われているクルマは、過去1年以内にフルモデルチェンジ、マイナーチェンジ、一部改良、新グレード設定などを受けたモデルであり、(ここは豆知識としてわりと重要なのだが)「その新型車広告が出ている」ということは、この先6カ月間はそのモデルはフルチェンジやマイチェンを予定していない、ということがわかる。親切。

 ちなみに本記事アイキャッチ画像に使用されている新型ステップワゴンは、昨年末から公式ティザーサイトなどで徐々に情報がオープンとなっていたこともあり、クルマとしてはやや見慣れた感があるものの、正式発売日は2022年5月27日。あと10カ月は「新型登場」と謳えることになる(新型ステップワゴンのTVCM、「初代」を意識した映像、音楽、演出で、大変グッときます。まざに原点回帰。たくさん見たい。もっと流してほしい)。

「新型」ステップワゴン。現在ガソリン車の納期は3カ月程度、ハイブリッド車(e:HEV)は半年程度。じゃんじゃん売れて懐かしいCMをたくさん流してほしい
「新型」ステップワゴン。現在ガソリン車の納期は3カ月程度、ハイブリッド車(e:HEV)は半年程度。じゃんじゃん売れて懐かしいCMをたくさん流してほしい

 ここからは余談。一般的に雑誌は「表紙に記載された月号」と「実際の発売日」が大きくズレていて、『ベストカー』も2022年8/26号が2022年7月26日に発売されたりする。

 これも業界の自主基準で、日本雑誌協会の「雑誌作成上の留意事項」2001年改訂版には、月号表示(発行月日と同義)について以下のように定められている。

[週刊誌]:発売日から15日先までの月日
[旬刊誌][隔週刊誌][月2回刊誌]:発売日から1ヶ月先までの月
[月刊誌][隔月刊誌]:16日発売日以降は2ヶ月先までの月(45日先まで)
(発売日が7月16日以降であれば、「9月号」と表示できる)

 これは日本全国の書店やコンビニで販売する都合上、「出版社が発売を企図した日と店頭に並べられる日が店舗によってズレることがあるから」という融和措置の一環ではあるが、ようは「店頭に並べられている間はなるべく新しい日付を表記しておきたいので」という、なんというか…必死感の滲む狙いもある。読者を混乱させる要素であり、個人的には申し訳なく思っております。すみません。たいがいの雑誌(『ベストカー』含む)には背表紙に発売日が書いてあるので、大変大変お手間をとらせて恐縮ですが、そちらをご参照いただければと思います。

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