ガラス自体で遮熱するレクサスRZのパノラマルーフ
日本車の最新仕様を中心にEVのサンルーフを見ていこう。まずトヨタとスバルの共同開発モデルとして登場したBEV(バッテリー式電気自動車)であるbZ4X/ソルテラだ。トヨタbZ4Xは2021年4月、スバル・ソルテラが2021年11月に発表、追ってどちらも2022年5月に発売された。価格はbZ4Xが600~650万円(リース販売のみ)、ソルテラは594~682万円とされ、トヨタではハリアー、スバルでは新型の発表が近いフォレスターよりもラインナップで上位に位置することになる。
bZ4Xは「Z」のワングレード設定とされ、メーカーオプションとして設定されたパノラマムーンルーフ(電動サンシェード、挟み込み防止機能付)の価格は11万円(税込み)。いっぽう、ソルテラはルーフレールとセットとされ、価格は22万円(税込み)と高めに設定されている。
いっぽうレクサスでは、BEVとしてUX300e(車両価格は580~635万円)が登場。メーカーオプションとしてムーンルーフ(チルト&アウタースライド式)が用意されている。価格は11万円とbZ4Xと共通だ。
注目すべきはレクサスが新たにBEV専用モデルとして2022年4月に発表した「RZ」で、2022年後半の発売が控えている。RZにはサンルーフの最新仕様といえる「パノラマルーフ」が用意されている。ガラスパネル自体に高い遮熱・断熱・紫外線99%カット機能を与え、シェードレス設定を可能した。
これにより車体の軽量化やヘッドクリアランス(座席に座った際の頭頂部から天井までの距離)の確保に寄与している。さらに瞬時に透過光を制御し車内の明るさを調整可能な調光タイプも用意する。
アリアはB6にオプション、リミテッドに標準装備
BEVでは先んじた日産は、去る5月に軽自動車のEVである「サクラ」(三菱はeKクロスEV)の導入で注目されているが、BEVとして2021年6月に発表された、クロスオーバーSUVであるアリアを見てみよう。
車両価格はB6(バッテリー容量:66kWh、FWD)の539万円からB9 e-4ORCEリミテッド(同:91kWh、4WD)の790万200円となり、500万円オーバーのカテゴリーに入る。ちなみに、リーフに設定がないのは開発段階からコストを抑えることを重視した所以だろう。
アリアに用意されているパノラミックガラスルーフ(電動チルト&スライド、電動格納式シェード付、リモート機能付)は、B6仕様ではメーカー・セットオプションとしてプロパイロット2.0などとの組み合わせとなる。なお、現状でラインナップされている「リミテッド」では標準装備となっている。
輸入EVのサンルーフはもはやあたりまえ?
輸入車に関しては、サンルーフは日本車ほど贅沢装備とはいえないだろう。日本市場では価格を含めて、輸入車であること自体がブランドとしての商品価値を備えていることから、サンルーフを装備するうえでのハードルは日本車よりも低いかもしれない。
いわゆる高級感の演出手段としての大型ガラスルーフなどは、特にEVでは購入者に先進性やラグジュアリーな雰囲気を与えられるので、商品性をアピールすることのほうが重要なはずだ。
ネガティブな要素である車重の増加と車両価格への影響についてだが、EVについては駆動用バッテリーの価格と搭載量の影響のほうが大きいと多くのメーカーが捉えているに違いない。コンパクトEVでは、これに一充電走行距離への影響をどう割り切るかにかかってくるはずだが、この点で言えば、輸入車EVのサイズ感であれば、サンルーフは設定しやすいはずだ。
各輸入車ブランドを見ていくと、基本的には日本車と同様にメーカーオプションもしくは上位グレードに標準装備されていることがわかる。
ドイツ勢では、メルセデス・ベンツのEVブランド「EQ」では、EQA(車両価格:733万円)にメーカーオプション(受注生産)として「パノラミックスライディングルーフ(挟み込み防止機能付き)」を設定、価格は17万円とされている。
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