カローラ・ヤリスのようなシリーズ化はクラウンで成功するのか
クロスオーバー化されたクラウン1台の発表会になると誰もが思っていた7月15日、登場したのは4台のクラウンだった。
クロスオーバー、スポーツ、セダン、エステートという4タイプのクルマ。これらすべてが「クラウン」だという。日本国内だけのことを考えていた先代までのクラウンと違い、新型は世界を見据える。発表会は、クラウンシリーズを世界に示し、存在感をアピールする場所になったのではないだろうか。
トヨタにはこれまでに大成功を収めてきたシリーズがたくさんある。現行型ではヤリス(ヤリス・ヤリスクロス)と、カローラ(カローラ・カローラスポーツ・カローラツーリング・アクシオ・フィールダー)がすぐに思い浮かぶだろう。シリーズは、車名の認知度を高め、さらに様々な車両形態がユーザーのニーズに応えるのだ。
世界戦略車としてのクラウンのシリーズ化には、筆者も大賛成だ。クラウン=セダンという既存のイメージが強く残るのは日本だけの特殊な事情であり、世界的に見ればこうしたステレオタイプはまだ生まれていない。クラウンが世界各国で魅力的に映るためには、こうしたシリーズ化が最適解のようにも思える。
日本でも、セダンの発表はこれまでのクラウンユーザーを安心させ、エステートの復活には感動すら覚えた。さらに新しいスポーツの誕生からは、クラウンの革新へ向かう強い決意を感じる。クロスオーバーを含めた4タイプが、それぞれクラウンとして働き、相乗効果を発揮しながら、クラウンブランドをより強固なものにしていくに違いない。
ヤリス、カローラ以上に、クラウンというペットネームは大きな価値を持つ。これまで積み上げてきた価値に恥じないシリーズ化が、今回出来上がったと思う。
16代目のクラウンは、従来からの大幅な路線変更に見えるが、もしかするとクラウンにとって、今回の維新は既定路線だったのかもしれない。新時代を走る、クラウンの本当の実力を感じられるのは、まだまだこれからだ。
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