4台のクラウンが登場するという度肝を抜かれた7月15日のワールドプレミア。その中で、ひときわ異彩を放っていたのが、ミドルSUVのクラウンスポーツだ。
クラウンの登場で、トヨタ陣営にはレクサスも含め、高級SUVが乱立することとなる。その中で、クラウンスポーツはどこに位置付けられ、トヨタはどのように扱っていくのだろうか。
現在トヨタのプレミアムSUVのトップリーダーであるハリアーと、クラウンスポーツの関係性など、トヨタSUVの今後を考えていこう。
文/佐々木 亘、写真/TOYOTA
■クラウンスポーツとハリアーのガチンコ勝負はあり得るのか
「エモーショナルな雰囲気とスポーティな走りを兼ね備えたミドルSUV」と紹介されるクラウンスポーツ。3BOXタイプのクロスオーバーやセダンの形状とは異なり、2BOXタイプのSUVという、独自の立ち位置にあるクラウンだ。
クラウンスポーツのボディサイズは全長4,710mm×全幅1,880mm×全高1,560mm(数値は開発目標値)となっている。パワートレインなどに関しては、まだ発表がないが、正統派の都市型SUVであることは明白だろう。
そうなると、気になるのはハリアーとの差だ。高級クロスオーバーSUVという、新しいジャンルを切り開き、長年の間、カテゴリーリーダーとして君臨してきたハリアーと、クラウンスポーツを、トヨタはどのように棲み分けるのだろうか。
2020年に登場した現行型ハリアー。ボディサイズは全長4,740mm×全幅1,855mm×全高1,660mmである。クラウンスポーツは、ハリアーに比べて全長が30mm短く、全幅は35mm広く、全高は100mm低い。
ボディサイズだけの比較であれば、ほぼ同等のサイズ感だ。しかし、ホイールベースはハリアーが2,690mmに対して、クラウンスポーツは2,770mmと80mm長い。ボディサイズの数値的な差よりも、クラウンスポーツの方が踏ん張り感は強く、クルマは大きく見えそうだ。
ハリアーよりも上級層のクルマとして売り出すことが予想されるクラウンスポーツ。値付けやイメージ戦略を間違わなければ、真っ向からハリアーと戦うことは無いだろう。
販売店に話を聞いても、「クラウン」と「ハリアー」の扱い方は明確に変えるという声が多く、顧客を食い合わないよう、既に工夫が始まっている。
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