ホンダが2022年秋に投入するとしている、新型のミドルクラスSUV「ZR-V」。すでに北米では「HR-V」の名前で販売されているが、日本仕様もティザーサイトが公開されており、期待が高まっている。しかしながら、RAV4やハリアー、エクストレイルなどが集まる人気のカテゴリーであるだけにその期待は大きく、ユーザー目線ではシビアな評価が求められるのも事実だ。
現時点で分かっている情報をもとに、ZR-Vは、日本市場で成功することができるのか、考察しよう。
文:立花義人、エムスリープロダクション
写真:HONDA
ヴェゼルとCR-Vの中間を埋めるミドルサイズSUV
現在、「ヴェゼル」と「CR-V」しかない、ホンダの国内SUV。しかも「CR-V」は、大きすぎるためか、国内では苦戦している状況。今回のZR-Vは、日本仕様のボディサイズは公開されていないが、北米仕様HR-Vのサイズ(インチ表示)から換算した参考値で全長4,567mm×全幅1,839mm×全高1,620mm、ホイールベース2,654mm。トヨタの「ハリアー」や、つい先日デビューした日産「エクストレイル」よりもやや小さめのサイズだが、ヴェゼルでは小さすぎるし、CR-Vだと大きすぎると思っていたユーザーにとってはぴったりの大きさだろう。特に日本の道路事情や駐車場事情であれば、この選択肢は大いに価値あるものとなる。
とはいえ、ミドルクラスSUVは、デビュー直後でいま注目の「エクストレイル」、安定した人気の「ハリアー」、メカニズムが魅力の「アウトランダーPHEV」、完成度の高い「CX-5」など、ライバルはツワモノぞろい。ユーザーが求める基準はかなりシビアになる。「欲しい!!」と思わせる要素が少なければ、販売面で苦戦してしまう可能性はおおいにある。
SUVらしい力強さとエレガントさが特徴的
ZR-Vのボディ全体のフォルムは、塊感のあるフロントセクションと流麗なルーフライン、流れるように落ちるリアセクションという構成で、SUVらしい力強さを感じさせつつもエレガントな雰囲気が強調されている。
デザイン上のハイライトは、フロントグリルに施されたバーチカル(垂直)グリルと、横長でシャープなヘッドライトの組み合わせで、凛々しく存在感のある表情がつくり出されている。サイドはなめらかな曲線で美しく動きのあるデザインが採用され、リアセクションはゆとりと安定感を感じさせるコンビネーションランプが特長的だ。
インテリアは、直線基調のダッシュボードにオーソドックスなメーターフードパネル、ハイデッキコンソールパネル、センターディスプレイという構成で、特に個性的ではないが各部の仕上げには、上質な雰囲気が漂う。ミドルクラスならではのゆとりとリッチさを感じさせる部分だ。
パワートレインは、ハイブリッドモデルに2.0L 直噴ガソリンエンジン+2モーターの「スポーツe:HEV」が搭載される。これはCIVIC e:HEVで初めて搭載されたものと同じだ。ガソリンエンジンモデルには1.5Lターボ+CVTが搭載される。ハイブリッド・ガソリンモデル共にFFとリアルタイムAWDが設定される。
また、先進安全運転支援システムとして、ホンダセンシング、そして新世代コネクテッド技術であるホンダコネクトも用意される。
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