【トヨタ車のいかついカオにも意味がある!?】 そのデザインに込められた意図を探る

■見飽きてしまった感もある道路標識 形やデザインにワケあり

 運転する人ならとっくに頭にインプットされているハズの道路標識。ここにも形や色、デザインにまつわる「へぇ〜」な話がある。警察庁から聞いた話を紹介。

■道路標識の形、円形が目立つのはなぜ?

「指定方向外通行禁止」。道路標識には円形が多い。そのワケは?

 上の例のように規制標識は基本的に「円形」を使うことが多いという。その理由は「目立ちやすさ」の強調。というのも四角形など角がある形だと、直線が交差する建物が多い周囲の街並みに溶けてしまい、わかりづらくなるため。また、広告や看板も角があるものが多く、円形は目立つという理由もある。

 さらに、同じ面積の円形と正方形を比較した時、円形の直径1に対して正方形の一辺は約0.9となり、円形のほうが視覚的に大きく見える、という効果もあるのです。

■逆三角形にも意味がある

「徐行」。数少ない逆三角形の標識。これにも意味がある

 前ページ掲載の「逆三角形」の道路標識。「徐行」と「一時停止」があるが、これらはより重要な規制標識。ほかの標識と区別するために最も視認性の高い、頂点が下にある“不安定な形状”の逆三角形を使用している。

■青色を使うのが多いのは?

 そもそも道路標識が誕生したのは1960年(昭和35年)で、1963年の改正で多くの標識が現状のものとなっている。

 前項で紹介した規制標識、案内標識、警戒標識、指示標識の4種類があり、使う色で多いのが赤と青。規制標識や指示標識で使われるが、赤は禁止を意味するいっぽうで、青は肯定や指定を意味している。

 例えば、下の「一方通行」は、矢印の方向へ通行できる(=肯定)指定を表わすので青の地に白の矢印。瞬時に色で伝えるデザイン力だ。

「一方通行」の標識

■「停車可」は「停」なのに「駐車可」はなぜ「P」なの?

両方とも「停車可」「駐車可」、つまり「肯定」だから青地に白。「駐車可」は英語のPARKINGから「P」になったが、そのワケは?

 当初、「駐車可」は「駐」、「停車可」は「停」だったが、1963年の改正で「駐車可」のみ現状の「P」に変更となった。できるだけ省略化された文字表示にするために、「P」となったわけ。「P=パーキング」と多くの日本人が瞬時に判断できる文字を採用。これもデザインが発する力だ。

 では、なぜ「停」はそのままか? 逆にこちらは日本人がすぐ判断できる適切な文字や図柄がなかったので、そのままということ。

■禁止を意味する標識、なぜ左上から右下への線なのか?

 下の「通行止」の標識を見てほしい。

「歩行者通行止め」。この斜めラインにも、やっぱり意味があるのです

 禁止を意味する規制標識には“左上から右下への斜め線”が入っている。逆の右上から左下ではダメなのか? これについては国連加盟国の多くの国の標識を参考にして、同じにしたという。確かに見慣れたせいもあるが、右上から左下への線では禁止が伝わってこないかも!?

 ちなみに下の「自動車専用」のクルマ図。

「自動車専用」の標識。昔のベンツに見える?

 昔のベンツに似てなくもない。「ベンツなどのクルマを参考に描いたのですか?」と警察庁へ聞いてみたら「何かを参考にして描いたというわけではありません」と返答された。ふむ。

■「動物飛び出し」の警戒標識が4種類あるワケ

 下で紹介しているシカをはじめ、ウサギ、サル、タヌキの4種類がある「動物の飛び出すおそれあり」の標識。黄色地に黒の動物イラストが描かれ、“黄色+黒”という警戒の意図をうまく表現してあるデザイン。

 どのようにそれらを使い分けているかが気になり、国土交通省へ聞いてみた。

「例示としてシカの標識が掲載されていますが、シカ以外の動物が飛び出す恐れがある場合、適宜、各道路管理者がその動物を示す標識を設置します」との返答。飛び出す恐れのある場合には、4種類以外の動物も表示できるという。


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