ちょっと待ってよ!!  追突した側が100%悪い? 「追突事故」で責任が重いのは本当に追突側なのか


 自動車同士の事故で、最も多いのは実は追突事故だという。最近は前後カメラ付きのドライブレコーダーが普及したおかげで、SNSやニュース映像でこれらの恐ろしい瞬間を見にすることも多くなったのではないだろうか?

 例えば信号待ちで止まっていて、そこに追突された場合、責任は100%追突した車両が追うことになる。いわゆる10:0というやつだ。しかし、例えば駐車違反していた車両に追突した場合はどうだろうか?

 今回は様々なケースでの追突事故の過失割合を紹介する!

文/藤田竜太、写真/Adobe Stock(トップ画像=pixelklex@Adobe Stock)

【画像ギャラリー】「追突した側が常に100%悪い」わけじゃない!! 追突された側にも過失があったと認められる例(7枚)画像ギャラリー

■追突事故は常に「追突した側」が100%悪いのか?

基本的に追突された側は事故を防ぎようがないため、追突事故の過失割合は「10:0」で追突側に非があり、となりがちだ(anoyo@Adobe Stock)

 自動車同士の事故のうち、最も多い交通事故類型は「追突事故」。

 内閣府が調べた令和2年中の交通事故発生件数を事故類型別にみると、追突(9万5520件,構成率30.9%)が最も多く、出会い頭衝突(7万9363件,構成率25.7%)と合わせると全体の56.6%を占めている。

 こうした追突事故において、後ろから衝突された被害者の過失は、基本的に0。例えば、赤信号手止まっているクルマに、後ろから衝突したケースだと、過失割合は「10(追突した側)対0(追突された側)」になる。

 ではどんな場合でも、後ろから追突したクルマが100%悪いのかというとそうでもない。追突された側のクルマにも法令違反があれば、過失割合は10:0ではなくなり、追突された側の過失も問われることがある。

 そうした追突された側にも過失があったと認められる例をいくつか紹介しておこう。

●駐停車禁止場所に停車していた場合

 交差点、横断歩道、自転車横断帯、踏切、軌道敷内、坂の頂上付近、勾配の急な坂、トンネル、交差点の側端から5メートル以内の部分、道路の曲がり角から5メートル以内の部分など、相手のクルマが駐停車禁止場所に停車していた場合、追突された側にも10〜20%の過失が問われる。

●前方車両が急ブレーキを踏んだ場合(危険を防止するためやむを得ない場合を除く)

前方車両の正当性のない急ブレーキが原因で追突した場合、前走車にも過失が問われる(yamasan@Adobe Stock)

 道路交通法では、危険を防止するためやむを得ない場合を除き、急ブレーキを禁止している(24条)。したがって、急ブレーキに正当な必要性、合理性が認められない場合は、被害者にも過失が認めら、過失割合は加害者7:被害者3となる。

 正当性のない急ブレーキとは、【理由もなく急ブレーキをかけた場合(逆あおり運転を含む)】、【信号の見間違いに直前で気づいた場合】などのこと。

 厄介なことに、小動物が飛び出てきて急ブレーキを踏んだときは、「やむを得ない場合」と認められず過失が問われることもある……。

 なお、急ブレーキとまではいえなくても、不適切なブレーキがきっかけで衝突事故が起きたときは、前走車に2割ほど過失が問われる。

●駐停車の方法に問題があった場合

 道路交通法では、「駐車するときは、道路の左端に寄り、他の交通の妨害とならないようにしなければならないこと」「人の乗降または貨物の積卸しのため停車するときは、できる限り道路の左端に寄り、他の交通の妨害とならないようにしなければならないこと」と、駐停車の方法を定めている(47条)

 これを守らずに、道の真ん中などに駐停車していた場合は、追突された側も10~20%の過失が問われることになる。

●灯火義務を怠っていた場合

 夜間、テールランプやハザードランプを点けずに、灯火義務を怠り停車しているクルマに追突した場合、追突された側も10~20%の過失が問われる。またブレーキランプの球切れや接触不良などで、ブレーキを踏んでもブレーキランプが点かなかった場合、追突された側にも10~20%の過失が認められる。

●前走車が車線変更を行なった場合

 片側二車線以上ある道で、前走車が事故直前に車線変更を行ない、後続車の進路を妨害したような場合は、追突車と追突されたクルマの過失割合が逆転。車線変更を行ったクルマ側の過失割合が70%となるのが基本。

●高速道路で停止していた場合

 高速道路上では駐停車すること自体が違反なので、駐停車していた側の過失が重い。高速道路上で駐停車していたクルマにぶつかった場合、追突された側の過失が重くなる。過失割合は「5(追突された側)対5(追突した側)」が基準となる。

●追突された側が無免許、飲酒運転だった場合

 信号待ちで停車中に後続車両に追突されるような、通常なら「10(追突した側)対0(追突された側)」になるケースでも、追突された側が飲酒運転や無免許運転だったとしたら、10~20%程度の過失が追突された側に加算される可能性がある。

*   *   *

 衝突被害軽減ブレーキ(AEB装置)の普及で、交通事故総合分析センターの分析によると、車両相互事故のうち、対四輪車の追突事故は、AEBなしのクルマに比べ、約53%も減っているという。

 そのおかげで自動車保険にも自動ブレーキ割引という特約もあるが、それでも衝突事故が事故件数ナンバーワンなのには変わりがない。

 衝突被害軽減ブレーキの有無や過失割合に関係なく、ドライバー同士がより周囲に気を配り、衝突事故を減らす努力を継続していこう。

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