えっ! 大幅値引きが必ずしもお得とは限らない!? クルマの年度末セールの仕組みを解き明かす

■値引きは愛車の価値を下げる行為

値引きが常態化していると、そのクルマの定価は値引き後の価格だと判断される可能性がある。価値に相応しい対価を支払うと後から得をすることもあるのだ(78art@Adobe Stock)
値引きが常態化していると、そのクルマの定価は値引き後の価格だと判断される可能性がある。価値に相応しい対価を支払うと後から得をすることもあるのだ(78art@Adobe Stock)

 値引きをしてもらえばお得に買える。誰しもがこう思うはずだが、値引きという行為は、愛車の価値を下げる行為でもあることを覚えておいてもらいたい。

 前述のとおり、値引きはディーラーの利益を削る行為だ。それと同時に、値引き額は、中古車市場の価格に反映される。

 例えば、新車価格300万円のクルマに対して、車両本体価格から50万円の値引きが常態化しているとなれば、そのクルマの定価は250万円と判断される可能性があるということだ。

 中古車市場の値付けには、いくらで売っているかではなく、いくらで買えるのかが加味されている。過度な値引きは、これから自分の財産となるクルマの価値を下げる行為に直結するのだ。

 高級輸入車を買取査定に出すと、想像よりも低い値付けになることが多いことがあるだろう。この原因の一つは、輸入車販売のおける大幅な車両本体値引きにあるといわれている。

 だからこそ、大幅値引きを勝ち取ったと喜ぶのは少し待ってほしい。しっかりと考えるべきことは、そのクルマの価値をしっかりと見定め、価値に相応しい対価をしっかりと支払うことだと筆者は思う。

 1台のクルマを、価値がゼロになるまで乗りつぶすなら大幅値引きを勝ち取るべきだ。しかし、数年後に価値があるまま乗り換えることを考えると、値引きを求めすぎるのは、自らのカーライフサイクルを壊すことにもつながる。本稿が、今一度、クルマの値引きについて考えるきっかけになってくれると幸いだ。

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