外付けフードがない視覚制限灯器もある!
視覚制限灯器は、外付けフード式だけではない。
近年普及しているLEDの信号機には、「インナーフード」タイプの視覚制限灯器もある。インナーフードタイプの視覚制限灯器は、外付けフードなしで視認範囲を制限できる灯器だ。
日本電材のインナーフード視覚制限灯器の場合、視認有効範囲が30°、夜間光漏れ範囲が左右20°ずつとなっている。
外付けフードタイプの視覚制限灯器よりも視認範囲は広いものの、見える範囲が絞られているため、鋭角な交差点でも誤認することはないだろう。また、インナーフードタイプの視覚制限灯器は、矢印信号に使われていることもある。
さらに、インナーフードタイプの視覚制限灯器は、運転者の誤認を減らせるだけでなく、近隣住民への光漏れを最小限に留められる信号機となっている。インナーフードタイプの視覚制限灯器が広く普及すれば、深夜の信号機の眩しさに悩まされることも減るだろう。
歩行者用の信号機も目隠しになる?!
信号電材の資料によると、歩行者用視覚制限灯器の開発もしているとのこと。車両の運転者の中には、歩行者用の信号機の点滅や赤に変わったタイミングをヒントに走行する人もいるだろう。しかし、近い将来、歩行者用信号のタイミングを掴むことができなくなる日が来るかもしれない。
信号電材が開発中の歩行者用視覚制限灯器の資料によると、歩行者用視覚制限灯器の視認範囲は、信号待ちしている車両から見えない範囲となっている。
歩行者用視覚制限灯器が実際に使われるようになった場合、車両の運転者は歩行者用信号の変わり目がわからなくなる。
違反しない範囲内で歩行者用の信号を利用している運転者にとっては困ることかもしれない。ただ、車間距離を詰めて交差点に進入したり、黄色信号で交差点を通過したりする違反運転者は減るだろう。
より安全な交通社会を目指すのであれば、歩行者用視覚制限灯器が必要と言えるだろう。
交通社会に欠かせない信号機は絶えず進化していた!
交通社会に欠かすことができない信号機は、LEDタイプが普及したり、インナーフードタイプの視覚制限灯器が開発されたりするなど進化している。また、LEDタイプの信号機も球面レンズからフラットレンズに変わったり、太陽や空が写り込まない視認性の高いレンズに変わったりするなど改良されている。
LEDタイプの信号機の普及により信号機の電球を交換する光景を見なくなったように、信号機の視覚制限フードを見なくなる日も近いかもしれない。
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コメント
コメントの使い方記事中の視覚制限灯器?の記載は、正しくは視角制限灯器ですね。
見える角度を制限するものです。
一定距離まで見えない信号は、円滑交通のため早めに信号を確認したくて、見える範囲まで急ぐことに繋がり、
歩行者信号が見えないのは、運転者からしたら事前準備できないまま急に黄色に変わる事になります。
どちらも、常に遠くまで見渡してスムーズに交通を回している「常識的な大半のドライバー」にとって不利益でしかなく、そういう常識人にまで違反を誘発する変更です