果たしてどっち? 高速道路の追い越し車線での「右ウインカー使用」は是なのか、非なのか!?

果たしてどっち? 高速道路の追い越し車線での「右ウインカー使用」は是なのか、非なのか!?

 ひと昔前まで追い越し車線に居座るクルマに対し、抜きたい意思を示すために使われてきたのが「右ウインカー」。ところが、ここ最近はあおり運転の危険性が問題視されたこともあり、使うクルマが減りつつある。

 しかし、実際に片側3車線ある高速道路を走行していて、追い越し車線のクルマが一番遅いこともある。100km/h制限なのに80km/h台のクルマもいて、しかたなく左から抜いていく状態の時もある。国沢光宏氏は、「こんな時に右ウインカーを使いたい」と持論を主張する!

文/国沢光宏、写真/AdobeStock(トビラ写真:xiaosan@AdobeStock)

【画像ギャラリー】高速道路の追い越し車線で前走車に右ウインカーを使うのを推奨したい!!(4枚)画像ギャラリー

■追い越したい時、パッシングと車間を詰めるのは世界共通認識

高速道路を走行中、緩行車両が連続している場合もある。こんな時に筆者が使うのを提唱したいというのが「右ウインカー」だ(satoshi.o@AdobeStock)
高速道路を走行中、緩行車両が連続している場合もある。こんな時に筆者が使うのを提唱したいというのが「右ウインカー」だ(satoshi.o@AdobeStock)

「高速道路の追い越し車線で追い越したい時は右ウインカーを出す」。こいつを普及させたらいいと、いつも思っている。

 走行車線に緩行車両が連続しているため追い越し車線を走っていた、と思っていただきたい。同時に後続車もいたとする。後続車が先を急いでいるなら、緩行車両の車間が比較的短い距離でも左に車線変更して先に行かせてあげたい。でも、後続車両は抜く気を持っていない時だってある。

 そんな時、後続車が右ウインカーを出して追い越しの意思を見せてくれたらいいのに、といつも思う。狭い海域での船舶の航行にはお互いの情報伝達が必要。そこで船舶無線を使い、速度や右左転の意思を知らせる。

 クルマだってお互いの意思を伝達する方法があっていい。世界各国を走っていると、追い越したい時の意思は世界共通で「パッシングか、車間距離を詰める」(笑)。

■パッシングより右ウインカーの使用を推奨したい

パッシングだと前走車に威嚇行為に取られる可能性も大いにある(Wirestock@AdobeStock)
パッシングだと前走車に威嚇行為に取られる可能性も大いにある(Wirestock@AdobeStock)

 8月22日現在、フランスとベルギーに滞在しているけれど、追い越し車線居座りのクルマはキッチリあおられる。先日滞在したタイなら間違いなくパッシングされる。我が国はこういった意思表示をすると「あおり行為」になってしまうため善良な人はできない。

 一方、鈍感力が高い人も山ほどいるから、後続車が抜きたいという想像すらできないんだと思う。気の短いドライバーに出くわすとあおられることに。

 そんな時に便利なのが右ウインカーだと私は思う。この意思表示、アウトバーンでは古くから使われていた。パッシングだと少しお下品。右ウインカー(右側通行だと左ウインカー)なら威嚇じゃないという理由です。

 日本でもアウトバーンを走ったことがある人も増えてきた1980年代中盤から使われるようになっていく。特に東名高速は欧州帰りの人が多いらしく、ふつうに使われていた。

 ちなみに同時期、トラックの右ウインカーもけっこう使われていた。当時、追い越し車線を130km/h以上で走っている大型トラックがふつうにいた。その速度域で排気ブレーキをかけると、けっこうな減速度になる。

 0.1G以上の減速度が出る時はブレーキランプを点灯しろ、なんて規則がなかった時代です。そんなことから追い越し車線で排気ブレーキをかけると同時に右ウインカーを出していたのだった。

 私も当時4トントラックとか運転している時、排気ブレーキ使用時の右ウインカーはよく使った。トラックの右ウインカーと追い越したい時の右ウインカーは使うシチュエーションが大きく違うため混同しない。

 2000年くらいまではパッシングに右ウインカー、譲ってくれた時のハザード、車間詰め運転など、けっこうな「車々間通信」の手段があった。海外は現在進行形です。

次ページは : ■追い越しの意思表示で使っていけば広まるはずだが……

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