2022年6月にプロトタイプが公開された新型RX。レクサスの販売台数の約3割を占める人気モデルであり、そのフルモデルチェンジはレクサスの将来をも左右する重要な節目だ。
はたして新型も、世界で支持を集めるヒット作になれるのか? 自動車評論家の石川真禧照氏が鋭く分析した!
文/石川真禧照、写真/トヨタ自動車
全長は変えずにホイールベースは延長
レクサスRXといえば、レクサスブランドのなかでも販売の中心を占めているモデル。レクサス広報によれば、2021年のRXのグローバル販売実績は約22万台。同年のレクサス全体の販売台数が約76万台なので、30%を占めるベストセラーでありグローバルコアモデルだといえる。
そのRXの次期型が去る6月1日に公開された。実車もプレス関係者には公開されたが、売れそうな要素が満載の仕上がりといえる。
スタイリングだが、レクサスの特徴であるスピンドルグリルは、あえてフレームを強調せずにボディに馴染ませている。
その両脇には大きな空気取り入れ口を配置した。このあたりのデザイン手法は最近のトレンド。クォーターピラーは4代目から採り入れたフローティングピラーを踏襲しながら、リアまで回りこませる手法を選択している。
ここで注目したいのはボディサイズだ。5代目のサイズは全長4890mm(±0=現行モデルとの比較=以下同じ)、全幅1920mm(+25)、全高1695mm(−10)、ホイールベース2850mm(+60)なので、全長は現行モデルと同じだ。
最近の新型車の傾向を見ていると、全体に大型化の方向に向かっている。そのなかで、なぜRXはキープサイズにしたのか?
RXのデザインを担当した草刈穣太プロジェクトチーフデザイナーは「RXは歴代モデルが“ちょうどいいボディサイズ”という評価を世界中からもらっています。なのであえて大型化はしませんでした」と語る。
しかしサイズをよく見ると、ホイールベースは60mmも長くなっている。さらにトレッドも前15mm、後45mmずつ拡大しているのだ。
調べてみるとGA-K改良型プラットフォームは、軽量化と低床化により、重心高を15mm下げていることも判明した。
ホイールベースの延長は、現行モデルでも広かった室内、とくに後席はさらに広くなったことを意味している。これまででも、輸入車を含めた同クラスのSUVのなかで居住性はトップレベルだった。さらにそれが拡大されている。
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